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パワーレンジャー・セイントフォース 新キャラクター

Posted by 桜埜春佑 on 11.2016 パワーレンジャー・セイントフォース 0 comments 0 trackback

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EPISODE1「運命 ‐Destiny‐」

Posted by 桜埜春佑 on 17.2015 パワーレンジャー・セイントフォース 0 comments 0 trackback

「よし……いい子だ……大人しくしていろ!!」
 ここはアメリカのとある街……この街ではある物が名物と化していた。いま、この街のある木の上ではアメリカで一番の命知らずである黄色人種の大学生「シュウ・グレンバーグ」がある事をしていた。彼の目の先では1匹の小さな子猫が彼を威嚇していた。シュウはこの子猫を助けようとしていたのだ。
「シュウ……油断は禁物よ!!」
「分かってるって!!」
 その木の下では四人の若者が彼を見守っていた。その中の一人で、最も彼を心配しているのは彼の幼なじみである白人の少女「アリス・フローラ」だった。サラサラなロングヘアが特徴で、誰から見ても才色兼備と言える少女だ。
「まあ、もしもの時があったら頼むぞ!! レイ!!」
「なに言ってるんだ!! 縁起でもない!!」
 シュウは木の上から一人の青年を見る。その救急箱を持ったまるで常に閉じているような細い目が特徴の東洋系の青年は彼の親友の「レイ・ウェン」だ。彼は医学の救急救命に精通している。
「まあ、あいつの場合は丈夫な体だけが売りだからな!!」
 この頭を掻きながらシュウを呆れた目で見ている長身が特徴の黒色人種の青年。彼の名は「リオン・エクシス」である。運動神経ならシュウにも劣らない実力者だ。
「のんきなこと言ってる場合じゃないよ!! 落ちたら骨折だけじゃすまないよ!!」
「落ち着け、そのために俺がいるんだろ!?」
 そんな三人を尻目に、一人だけ慌てふためいている金髪のツインテールと青い瞳が特徴のヒスパニック系の小柄なこの少女はこのチームの最年少「エイミー・アルスマン」だ。年齢は十二歳と普通なら中学校に通っている年だが、他の四人と同じ大学に通っている。
「もうちょっとだ!!」
 彼らはある大学に通う「ジャスティス」というサークルのメンバー。彼らは人助けを好みとしており、犯罪に繋がらなければ、スポーツのピンチヒッターからこのような木の上から降りられなくなった子猫の救出まで様々な人助けをしている。
「がんばれ!!」
「気を付けるのよ!!」
ただ、そのリーダーのシュウが常にやりすぎてしまうため、彼らの命がけの人助けは多くの人たちに知られていた。そう、この五人の行き過ぎたボランティアがこの街の名物なのだ。
今、彼らを応援している人たちがいるが、この人々は近隣の国から来た観光客で、近所のアメリカ人は「あいつらまたやってるよ」とか「本当に好きだな」という感じで見ていた。
「よし、捕まえた!!」
そして、苦労の末にようやく子猫を捕まえることができた。ところが……。
「ふにゃあ!!」
「うわっ!!」
シュウが子猫を掴んだ瞬間、その子猫が水を得た魚のように暴れだした。
すると、シュウはバランスを崩してしまった。それと同時に彼は木の上から真っ逆さまに落ちた。
「あっ!!」
「危ない!!」
「結局こうなるのかよ!!」
「助けなきゃ!!」
 それを見たアリスたちは無我夢中でシュウのもとへ走った。
「いてて……」
シュウは間一髪で助かった。ほかの4人がクッションとなったのだ。
「助かった……」
「それはよかったわね……」
「それが判ったなら早く降りてくれ!!」
「重てえんだよ!!」
「よかった……生きてる……本当にシュウと一緒にいると命がいくつあっても足りないよ」
ジャスティスの一同は苦労の末に命の危機にあった子猫を助けることに成功した。この小さな救出劇を見た人たちからはたくさんの拍手と歓声が沸き起こっていた。
「はい、もう逃がしちゃダメだよ」
この救出劇の後、ジャスティスの五人はある家を訪れていた。
じつは、先ほど救出したこの猫はこの家の飼い猫で、何らかの因果で帰れなくなりジャスティスがこの猫の捜索を引き受けたところ、あのようなことになっていたのだった。
「ありがとう!!」
 シュウは子猫をこの家に住む女の子に渡した。この子猫の飼い主のようだ。
「本当にありがとうございました。これはお礼です。受け取ってください」
 すると、隣にいた女の子の母親がお礼にと金一封を渡そうとする。だが……
「いいえ、お礼は頂きません!!」
 シュウはなぜかお礼の受け取りを拒否した。それを見ている他の四人も首を縦に振っている。それは一体なぜか!?
「俺たちは誰かを助けることをしますが、見返りは一切求めません。それが俺たちのルールなんです」
 そう、それが彼らジャスティスの信条……。どんなに命がけな依頼でも誰かを助けるのに見返りなど必要ないのだ。ただ、誰かの安心する顔を見られればそれでいいのだ。
 結局、ジャスティスは何も得ずにその家を去って行った。だが、飼い主の親子は物凄い笑顔で彼らを見送った。

「ですから、今こそこのプロジェクトが必要なのです!!」
 同じころ、アメリカ空軍本部の大将の部屋では一人の若き軍人が対象にあるプロジェクトを進言していた。
 彼の名は「ミカエル・シルバート」。若干二十七歳にしてアメリカ空軍の大佐の地位にいる男だ。
「だから、何度も言わすな。そのプロジェクトは今のままでは無理なんだ!!」
 一方、アメリカ空軍のトップに立つ大将はミカエルが進言するプロジェクトになぜか苦言を呈していた。そして、こう言った。
「疲れているようだな……三日ぐらい休暇をとれ!! ミカエル・シルバートとその部下四名に三日間の休暇を命じる!!」
「ですが……」
「これは命令だ!!」
 大将の答えは休暇命令だった。
「了解しました……」
 ミカエルは納得がいかないながらも、その命令に従うことになった。そして、「失礼します」と言って部屋から退室した。
「大佐、どうでしたか?」
 そこでは四人の人物が立っていた。彼らは先ほど大将が言っていたミカエルの四人の部下だ。
 その一人である女性「セイラ・ウォーティア中尉」は進言の結果をミカエルに訊ねた。
「ダメだったよ……それどころか三日間の休暇を命じられたよ」
「そうですか……」
 結果を聞いたセイラはガックリと肩を落とす。しかし、この結果はあらかた予想がついていたようだ。
「しかし、このプロジェクトの適合者なんて見つかるのかな?」
 そう、自信なさげに言うミカエルの手にはそのプロジェクトの企画書が握られていた。
 その企画書の表紙のタイトルには「パワーレンジャープロジェクト」と書かれていた。
「原因は国民が突然怪物化したせいですよね!?」
 そう、言葉を発したのは眼鏡をかけた知的そうな青年だった。彼の名は「ウルフ・ブルーアイズ少尉」だ。
「そうそう、全員に共通するのは黒スーツの女からおかしなカードを買ったって点っすよね!?」
 次に言葉を発したのは筋肉質な青年だった。彼の名は「クリフ・レオンハート少尉」だ。
「それに対抗するためにパワーレンジャープロジェクトを発足したのに……これじゃまたあの狸親父たちが文句を言い始めますね」
 次に言葉を発したのはこの場にいる五人の中で一番幼さが残る女性だ。彼女の名は「スロワー・ウィンネス軍曹」だ。軍部では整備士もやっている。
 彼らの話の中ではカードを買った国民が怪物になることとそのカードを売る女の話題が出た。そのカードを買った人間が起こす事件が社会問題となっていたからだ。
 そして、それに対抗するために発足したのがパワーレンジャープロジェクトだった。
「過酷な訓練をクリアした五人の人間に特殊スーツを身に付けた特殊部隊“パワーレンジャー”として戦ってもらうために私はこのプロジェクトを立ち上げた。そして、私たち自身が教官となって多くの軍人たちにその訓練を実施した……」
 パワーレンジャープロジェクトはこの奇怪な事件に対抗するために立ち上げた対抗手段だった。だが……
「しかし、合格者は一人も出なかった。」
 そう、合格者は一人も出なかった。すると、セイラ、ウルフ、スロワーはクリフに視線を送る。それを見たクリフは目を逸らした。どうやら彼の度を越した訓練が原因だったようだ。だが、難点はもう一つあった。
「いや……訓練を合格してもモーファーが不適合と見なせば、スーツの装着許可が下りない。最終的には私たちでやることになったが……」
 じつは、パワーレンジャーの力を存分に発揮するためのスーツを着用するにはモーファーと呼ばれる装置に適合者と認識されなければならなかった。
 だが、結果は一人も出なかった。ミカエルは自分たち自身も試したが、それ以上を言うことはなかった。それと同時に部下たちの表情も暗くなる。ここから見て大体察しはつくだろう。
「ああもう……ぐだぐだ言ってても仕方がない。とにかく明日からの三日間は仕事のことは忘れよう。明日はみんなで食事に行くぞ!!」
「了解しました。大佐!!」
 ミカエルは考えていても仕方がないと思ったのか、吹っ切れた様子だった。こうして彼らは限られた休日を満喫することになった。

翌日、ここはとあるショッピングモール。ここでは買い物や映画鑑賞を楽しむ人たちで溢れていた。
「あっちー……」
「なにへばってやがる!! この仕事を引き受けたのはおまえだろ!?」
しかし、例外もいた。この日、ジャスティスの5人もここに来ていたが、いつも通りこの施設の責任者の依頼でショッピングモールの手伝いをしていた。
「それにしても、お前はいつも過酷な依頼しか引き受けないのな?」
ウサギの着ぐるみを着たシュウと猫の着ぐるみを着たリオン。じつは、彼らに課せられた仕事は着ぐるみを着ることが条件だった。
リオンは想像以上の辛さにこのような依頼ばかりを選ぶシュウに対して皮肉を言い出した。すると、シュウはこう返した。
「でも今回ノリノリなのは俺だけじゃないぞ。ほら、あれ見てみろ」
シュウはそう言ってある方向を指差した。そこには楽しそうに子供に赤や青などの色とりどりな風船を配る犬の着ぐるみがいた。じつは、この三体目の着ぐるみはレイだ。
 シュウは彼に対して「楽しいか?」と訊ねた。それに対してレイは着ぐるみを着ているため喋れないので、静かに首を縦に傾けた。これは「そうだ」と言っていることを意味していた。
「お疲れ!!」
「飲み物持ってきたわよ!!」
 そこへ、別の場所で仕事をしていたアリスとエイミーが合流した。しかし、二人は男性陣と違って、女性スタッフ用の制服を着ていた。どうやら、仕事内容は同じだが、着る物は全く違うようだ。
「レイ!! 休憩しよう!!」
 そのエイミーの一声に着ぐるみ状態のレイは右手の親指を立てて、他のメンバーのもとへ歩み寄った。
「あら?」
「どうした? セイラ中尉?」
 一方、コーヒーショップで休暇を満喫するアメリカ空軍の五人。すると、セイラはある事に気が付く
「あの五人組……もしかしてジャスティス!?」
 セイラは少し離れたテーブルでドリンクをすすりながら談笑する若者の五人組を見た。その五人組とはジャスティスだった。
「ジャスティス!? なんだね、それは!?」
「それは……って……大佐、彼らを知らないんですか?」
 だが、生真面目な仕事人間のミカエルはアメリカ国民なら誰でも知っているジャスティスを知らなかった。
 セイラはちょっとした有名人を知らない上官に驚かされた。
「アメリカで一番の命知らずな連中ですよ」
「犯罪を除くことならどんなことも引き受けるのに、金などの見返りは一切求めないらしいっすよ」
「確か、昨日も木から降りられなくなった子猫を助けようとしてアスファルトの地面に落ちかけて騒ぎになったって話を私もニュースで見ました」
 続いて、他の三人もジャスティスを説明した。
「へえ……国の平和を守って飯を食っている私たちとは違うな……見習わなくちゃな」
「見習わないでください!! 彼らは無鉄砲なだけです!!」
 ミカエルは少し離れたところで談笑する若者の集団に関心を示したようだ。
「そろそろ休憩が終わる時間よ」
「じゃあ、やりますか……」
 一方、ジャスティスも休憩時間を終えて、仕事に戻ろうとしていた。
 と、その時……
「大人しくしろ!! このショッピングモールは俺が占拠した!!」
 突然、銃声と怒声が響き渡った。そこでは銃で武装した迷彩服の男が暴れ回っていた。彼はテロリストだった。
「あいつ……マークしていたテロリストだ!!」
 一方、ミカエルら空軍の五人もこの事態に気付いた。
「もっと悲鳴を聞かせろ!!」
 そういうテロリストの男はポケットからカードを取り出すと、それをブレスレット型の機械に通して、右腕が鎌となったモンスターの姿となった。
「あれは、モンスター化のカード!! やはり例の女が絡んでいたのか!?」
 そう、テロリストの男がとりだしたカード……それは謎の黒スーツの女が売っていたカードだった。
「応戦するぞ!!」
「でも今日は休暇だから銃なんて持ってきていませんよ!?」
「そうだった……」
 ミカエルは迎え撃とうとするが、軍人である身でありながら戦う術は用意していなかった。
「仕方ない……これを使うしかないのか!!」
「それは!?」
「持ってきちまったんですか!?」
 ミカエルはセイラたちすら気づいていなかったアタッシュケースを開けた。その中にはブレスレット型の機会が入っていた。
「戦おう……パワーレンジャーとして!!」
 ミカエルの決断……それは、パワーレンジャーとして戦うことだった。この機会を使えばパワーレンジャー用の戦闘スーツを身に付けることができるのだ。
「でも、それは適合者を選ぶプロテクトがあるんですよ!?」
「現に私たちも不適合と見なされたじゃないですか!!」
 だが、ウルフとスロワーはミカエルの言葉に難色を示す。そう、このブレスレットはスーツ装着者の適性を試すのだ。
 しかし、ミカエルたち自身もブレスレットからは不適合と見なされた。彼らにはパワーレンジャーになる資格はないのだ。
「解っている、でも今やらなければ誰がやるんだ!?」
 だが、ミカエルの決断は固かった。自分は国の平和を守る軍人……理不尽に傷を負わされる国民を見て見ぬふりなどできなかったのだ。
「そうですね……」
「やりましょう!!」
 これに背中を押されたのか、セイラたちもパワーレンジャーとして戦うことに決めた。戦うことを決意したミカエルたちはモーファーを装着した。
「待て!!」
 そして、決意を固めてテロリストの前に立ちはだかった。
「なんだ、お前らは?」
「アメリカ空軍だ!! 攻撃を止めろ!!」
 ミカエルはモーファーが自分体と不適合と見なしていることが判っているため、なるべくスーツを着用しないようにと、念のためにテロリストを警告した。
「黙れ!! 俺に指図するな!!」
 しかし、テロリストの答えはミカエルたちが予想した通りだった。
「やっぱり、拒否されましたね」
「仕方がない……みんな、行くぞ!!」
 もはやこのテロリストに警告は通用しない。ミカエルたちは最後の手段としてスーツの装着を決意した。
「セイントパワーレッツスタート!!」
 五人はその音声コードを発するのと同時にカードキーをモーファーにリードした。
だが……
「装着できません……」
「やっぱりか……」
 やはり何も起きない。彼らはやはりモーファーに拒絶されたのだった。
「邪魔だ!!」
「うわあ!!」
 スーツ装着に失敗したミカエルは、テロリストの逆鱗に触れ一発のパンチで吹き飛ばされてしまう。
「お前ら……うぜえよ!! 確か、空軍だったよな!? ちょうどいいや……死んでもらうぜ」
 テロリストの右腕の鎌がミカエルの振られようとしている。この場にいる全員に緊張が走った。
「ちょっと待った!!」
「ぐはっ!!」
 その時、一人の青年がテロリストを蹴り飛ばした。
「決まったぜ!!」
 それは、シュウだった。
「大丈夫ですか!?」
「ギリギリセーフだったな……」
「レイ、この人に早く治療してあげて!!」
「判っている!!」
 続いて、他の四人も現れた。
「これでよし!!」
 そして、レイは応急処置を終えた。それを確認したレイはシュウに目をやった。
「お前ら……ジャスティスか!?」
「へえ……俺たちってそんなに有名なんだ!?」
 シュウは冷静に怪物と化したテロリストと向かい合っていた。
「あらら……これはまた始まるわね!!」
「こうなったらあいつは止められねぇぞ!!」
「あいつの悪い癖だな……」
「また学長に怒られちゃうね!!」
 しかし、アリスたちは感じ取っていた。シュウは冷静な表情をしているが、内心では大勢の人間を恐怖に陥れたことで怒りを感じていることを……。
「俺たちの出番だな!!」
 だが、彼らも「いつものことだ」と冷静にしている。
「みんな、あいつを警察に突き出してやろうぜ!!」
「はいはい……結局こうなるのね」 シュウはこのテロリストの制圧にやる気を出していた。一方、他の四人も「仕方ないな」と思いながらも制圧に賛成していた。
「行くぜ!!」
 そういうシュウの合図と共にジャスティスは軍隊格闘、空手、拳法、ケンカ殺法、合気道とそれぞれが得意とする体術の姿勢をとった。
「ググググ……」
「ググググ……」
「なんだ、こいつらは!?」
「なんか変な格好しているよ!?」
 その時、どこからともなくお揃いの格好の一団が現れた。彼らは赤と黒の左右非対称の格好をしていた。
「やるしかねえだろ!!」
「それもそうね」
「行くか!!」
 しかし、シュウたちは危険を顧みずにモンスターと左右非対称の一団に飛び込んでいった。
 それと同時に今までで瞑っているように見えたレイの目に瞳が出現した。開眼する……これはレイの戦闘のスイッチが入った合図だ。
「かかってこい!!」
 シュウは軍隊格闘で応戦する。しかし、彼は一般人でありながらなぜかプロのような動きをしていた。
「はあっ!!」
 アリスは空手で戦っている。彼女もまた華奢な体系に似合わず、黒帯に匹敵する実力を持っていた。
「あたぁ!!」
 レイは拳法で戦っている。気高い声をあげながら戦う彼もまた相当な実力を持っていた。
「おらおらー!! どんどんきやがれ!!」
 リオンはケンカ殺法で戦っている。しかし、彼のこの戦い方は学んで身についた物ではなく、荒れていた頃に自然と身についたものだというのだから驚きだ。
「どうしたの!? こんなんじゃ私は倒せないよ!!」
 エイミーは合気道で戦っている。だが、他のメンバーとは比べて小柄な体格のうえに小枝のように細い腕が成人男性のような体格の非対称の一団を一人ずつ投げているからこれまた驚きだ。
 一方、それを見ていたミカエルは……。
「すごい……あれだけの数に物怖じの一つすらしていないなんて……」
 正確にはジャスティスの5人はただ無鉄砲なだけなのだが、それでもミカエルには驚きだった。
 そして、何かを決意したミカエルはある行動に出た。
「おい……あのアシンメトリーなやつら全然減らねぇぞ……」
「……って言うかさっきより増えてるよね!?」
「……きりがないな……」
 一方、ジャスティスは一向に減らない左右非対称の一団に苦戦していた。だが、彼らはエイミーが言うように減らないのではなく増えているのだ。
 その証拠に三十体倒されると、どこからともなくカードが現れて、新たな三十体が出現するのだ。
 だが、ジャスティスはそれに気づいていない。
「シュウ……どうするの?」
「全滅するまで戦うまでだ!!」
「そう言うと思ったわ……」
 しかし、シュウたちは諦めてはいなかった。正確には増殖する原因に気付いてはいないが、真正面から戦って全滅させようとしていた。
 その頃ミカエルは、部下たちにこう言っていた。
「みんな……もし私の考えていることが解るのなら何も言わずに信じてくれ!!」
「なんですか!?」
 ミカエルの意味深な発言にセイラたちは「まさか!?」という顔をした。
「モーファーを返してくれ……彼らをパワーレンジャーにする!!」
 ミカエルの決意……それは、シュウたちをパワーレンジャーにすることだった。セイラたちの予感は当たった。
「正気ですか!?」
「無謀っすよ!!」
「一般人ですよ!?」
 だが、セイラたちはミカエルの決断に難色を示す。
それもそのはず……パワーレンジャーになるには過酷な訓練をクリアしなければならないことと、モーファー自体に適合者だと認められなければならないことの二つの条件をクリアしなければならない。ましてや何の訓練も受けていないうえにモーファーのセキュリティを知らない一般人をパワーレンジャーにするなど無謀な事なのだ。
「私は彼らのあの勇敢さに共感した。彼らはきっとやってくれる。私はそう信じる!!」
 ミカエルはそう言った。いまだかつてない脅威を目の前にしても逃げないジャスティスの姿勢に心打たれたのだった。
「分かりました……その代わり始末書はあなたが書いてくださいよ!!」
「ありがとう!!」
 ミカエルの言葉にセイラたちは従った。そして、ミカエルは五つのモーファーを元のアタッシュケースにしまうと……
「君たち!!」
「あっ、さっきの人だ!!」
「まだいたのかよ!?」
「ここは危険です!!」
「逃げてください!!」
 決心したミカエルはジャスティスに声をかけた。
「これを使え!!」
 そう言うとミカエルはモーファーが入っているアタッシュケースをジャスティスに目がけて投げた。
 シュウが「おっと!!」と言いながら、それをキャッチして、ケースを開けた。
「これは!?」
「それを使えばさっきまでとは別格の戦い方ができる……その瞬間から君たちはパワーレンジャーとなる!!」
「パワーレンジャー!?」
 シュウたちはパワーレンジャーなる初めて聞く言葉に驚きを隠せなかった。
 すると、ミカエルはそんな彼らにこう言った。
「私はきみたちの何にも臆さない勇気に心を打たれた。だから私はきみたちを信じたい」
 それはシュウたちを心から信じたミカエルの本心だった。
 そして、ミカエルは最後にこう言った。
「やってくれるか!?」
 その言葉にジャスティスは……
「なあ……これって人助けってことでいいんだよな!?」
「もちろんだ!!」
 そして、チームの代表者シュウはこう言った。
「臨むところだ!!」
 シュウのその一言にアリスたち四人も首を縦に振った。そして、五人はアタッシュケースからモーファーを取り出して、自身の左腕に装着した。
「みんな準備はいいか!?」
「オッケーよ!!」
「当然だ!!」
「言われるまでもねぇぜ!!」
「いつでもいいよ!!」
 そして、五人の表情が変わった。
「そのブレスレットにはカードリードと音声認証の二つのロックがかけられている。『セイントパワーレッツスタート』と叫びながらカードをリードするんだ!!」
 そんな五人にミカエルはモーファーの操作説明をした。ジャスティスの五人は一同に「なるほど」という顔をした。
「行くぞ!!」
 シュウのこの言葉をきっかけに五人がやる気を見せた。ジャスティスの五人はモーファーに付属していたカードを右手に持った。
「セイントパワーレッツスタート!!」
 そして、カードをリードしながらその言葉を叫んだ。すると、瞬時に黒いインナーが彼らの体に装着され、光に包まれるとその上にそれぞれの色違いの戦闘服が装着された。その後、彼らの髪色が戦闘服と同じ色になった。
 そう、彼らはスーツの装着に成功したのだ。
「マジかよ!?」
「ウソでしょ!?」
「すごい……!!」
「イカしてるぜ!!」
「これが私!?」
 ジャスティスはパワーレンジャーとなった自分に驚きを隠せなかった。そして、赤い戦闘スーツのシュウは他のメンバーにこう言った。
「なあ、せっかくだからあれやろうぜ!!」
 シュウはそう言った。これに他のメンバーは……
「あれね!!」
「あれか!!」
「あれだよな!!」
「あれだね!!」
 他の四人は納得した。シュウが言う「あれ」とは……
「パワーレンジャー01!! セイントフォース・レッドレンジャー!!」
「パワーレンジャー02!! セイントフォース・イエローレンジャー!!」
「パワーレンジャー03!! セイントフォース・ブルーレンジャー!!」
「パワーレンジャー04!! セイントフォース・グリーンレンジャー!!」
「パワーレンジャー05!! セイントフォース・ピンクレンジャー!!」
「スクランブル!! パワーレンジャー・セイントフォース!!」
 そう、あれとは新たな呼称がついてはいるが、名乗りのことだった。
「なんだ!? セイントフォースって!? そんな名前付けた覚えはないぞ!?」
「俺が考えた!! カッコいいだろ!?」
 ミカエルはもちろん勝手に付け加えられた「セイントフォース」という呼称に突っ込みを入れたが、シュウことレッドレンジャーは勝手に付け加えたことを気にしていない。
 一方、アリスたちはここが戦場であるにも関わらず「うん、カッコいいね!!」などと談笑していた。
 それを尻目に空軍の五人は「緊張感がないな」とか「大丈夫なのかな!? この人たち」などと少々不安を漏らしていた。
「まあいい……とにかく幸運を祈る!!」
「任せとけ!!」
 そして、ミカエルに背中を押されたパワーレンジャーもとい「パワーレンジャー・セイントフォース」の初陣が始まった。
「すげえ!!」「腕力も脚力もさっきより格段に上がっているわ!!」
 ジャスティスもといセイントフォースの五人は初めてスーツを装着しての戦いの驚きを見せるが、初陣とは思えないほどの戦い方を見せた。
 空軍の五人も先程とは目つきが変わったセイントフォースを見て驚きを隠せなかった。ミカエルに至っては「すごい」の一言しか言えなかった。
「よっしゃ!! 畳み掛けるぜ!!」
 もはや無鉄砲としか言えないセイントフォースの戦いぶりだが、彼らは次々と左右非対称の一団を倒していく。

「はあ……はあ……」
「なあ、シュウさんよぉ……あいつら一体何人いるんだ!?」
「俺が知るか!? 少なくとも五人で百人とは戦っているぞ!!」
「無責任でしょ!? それじゃあ……」 
だが、左右非対称の一団は一向に減らない。それどころかむしろ次々と増えていた。それが原因で、団結力にもひび割れが生じてくる。
「なあ……みんな……俺、思うんだけど……」
「なに!?」
 すると、これまで寡黙に敵と戦っていたレイもといブルーレンジャーが言葉を発した。なにかに気付いたようだ。
「スズメバチって知ってるか?」
「知ってるよ。人の命を奪うほどの毒を持つっていう害虫でしょ!!」
 ブルーレンジャーはなぜかこの場では関係ない「スズメバチ」を話題に出した。
 これにエイミーもといグリーンレンジャーが知っていると答えた。だが、アリスもといピンクレンジャーとリオンもといイエローレンジャーはなぜか「ゲッ!?」という顔をしている。
「また始まったわ……」
 ピンクレンジャーはブルーレンジャーが何を言いたいのかは解っているが、辟易気味にそう言った。じつはレッドレンジャーの人助け癖同様にブルーレンジャーの時々出る理解不能な言動はいつもの事なのだ。
「動物関係はエイミーの担当だ。エイミー……解説してくれ!!」
 一方、イエローレンジャーだけは全くブルーレンジャーの言葉の意味を理解できずにグリーンレンジャーに助けを求めた。
 じつは、グリーンレンジャーは動物の専門知識に長けているのだ。ちなみにグリーンレンジャーもブルーレンジャーが何を言いたいのか解っている。
「これはね、スズメバチだけじゃなくてミツバチにもある事なんだけどね、蜂には女王がいるの!!」
 グリーンレンジャーの口からは「女王」というワードが出てきた。これを聞いたピンクレンジャーは「なるほどね」という納得顔をしているが、イエローレンジャーはキョトンとしている。
「解んねぇ……こいつも意味不明なこと言ってやがる……アリス、お前も解説を頼む!!」
 やっぱり全く解っていないイエローレンジャー。解説を頼まれたピンクレンジャーは彼に呆れながら「類は友を呼ぶのね」と呟いた。
 ちなみに「類」がレッドレンジャーで、「友」というのが他のメンバーであり、ピンクレンジャーは自分も友の方にカテゴライズしている。
「つまりはあの連中に指示を出しているリーダーがいるって事よ」
「そういう事か!?」
 そう、グリーンレンジャーが言う「女王蜂」とは司令塔となるリーダーのことだ。つまりはあの左右非対称の一団は一人のリーダーの指示によって動いていることになる。ここに至ってイエローレンジャーもすべてを理解しだした。
 ちなみに昆虫の世界において女王は蜂だけに限らず、蟻の中でも存在する。
「じゃあ、その女王蜂って今シュウと拳を交えているアイツか!?」
 そう言うイエローレンジャーはある方向を指差した。そこにはレッドレンジャーと一対一で取っ組み合いをしている怪物化したテロリストがいた。真っ先に司令塔として考えられるのはあのモンスターだ。だが……
「リオン……女王蜂は巣の中からは滅多に動かないんだよ」
「第一にあんなに取っ組み合いに夢中になってて指示が出せるわけないでしょ」
「じゃあいつは何だ!?」
「例えて言うなら働き蜂の隊長ってところだな!!」
 そう、ピンクレンジャーの言うとおりで敵との戦いに夢中になっているあのモンスターはリーダーではないのだ。
「……だが、エイミーの言葉が正しければ、この施設を巣と例えるのならそのリーダーはまだこの中にいるぞ!!」
 だが、ブルーレンジャーはそう言った。彼はグリーンレンジャーの「女王蜂はあまり巣の中から動かない」という言葉からこのショッピングモールをスズメバチの巣と例えた。
 そう、この施設を蜂の巣と例えるのなら女王蜂に当たる敵の真のリーダーはまだこの施設の中から脱出していない。もしも施設外を出ていたのなら指示は出せないはずである。
「シュウ!! このアシンメトリーな連中が増える仕掛けが判ったわ!! あたしたちはそれを探すからあんたはそのモンスターを足止めしてて!!」
「分かった!!」
 そして、ここからパワーレンジャー・セイントフォースの逆襲が始まった。レッドレンジャーがモンスターと戦っているうちに他のメンバーは女王蜂に当たる敵の真のリーダーを探すことになった。
「……って言ってもなぁ……こいつを足止めするにはどうしたらいいんだ!?」
 しかし、レッドレンジャーには足止めとは言われてもどうやっていいのか解らなかった。すると、それを見ていたミカエルが……
「右腰のホルダーに入っているカードを使え!! それを使えば武器や特殊能力を使える!!使用方法はモーファーにカードをリードすればいい!!」
「そういう事か!!」
 武器の使用法を聞いたレッドレンジャーは彼の言葉に従い、右腰のカードホルダーに手を入れて1枚のカードを取り出した。
「刃物には同じもので対抗しなきゃな!!」
 レッドレンジャーがそう言って手にしたカードには剣の絵が描かれていた。レッドレンジャーはミカエルの言葉に従って、そのカードをモーファーにリードした。
 すると、赤い光の後に剣が出現した。それを手にしたシュウが一言こう言った。
「セイントセイバーとでも名づけておくか!!」
「やかましい!!」
 そう言ってレッドレンジャーは右手が大きな鎌となったテロリストに立ち向かっていった。
そして、レッドレンジャーと鎌のモンスターの剣を使った戦いは一進一退の鍔迫り合いへと発展した。
 一方、それを見ていた他のメンバーは……
「へえ……あんな戦い方もあるのかよ!?」
「俺たちもやってみよう!!」
「働き蜂には退散してもらって女王蜂に出てきてもらおうよ!!」
「みんな、行くわよ!!」
 他のレンジャーたちはレッドレンジャーと同じことを見よう見まねでやってみた。すると……
「セイントスタッフ!! ……今命名!!」
「セイントシューター!! ……って所かな!?」
「セイントクラッシャー!! ……うん、悪くねえな!!」
「えーっと……セイントソーサー!! ……うん、いい名前!!」
 同じく武器を出現させたピンクレンジャーたち。しかし、それは杖に弓に槌にフリスビーと明らかにレッドレンジャーとは異なるが、本人たちはそれを気にせずに、気に入った様子でそれぞれの武器に名前を付けた。
「レイ!! エイミー!! あたしとリオンでこの連中を足止めするからあんたたちはどっかに隠れてる女王蜂を探して!!」
「心得た!!」
「任せて!!」
 ピンクレンジャーたちは班分けを二組から三組に増やした。モンスターと戦っているレッドレンジャーはともかく、このまま4人で戦って一団を一人一人倒していってもきりがないからだ。
「リオン、へばらないでよね!?」
「へっ……俺を誰だと思ってやがる!! まっ……一年の留年の原因がこんな形で役に立つとは思わなかったけどな!!」
 一段の足止めをすることとなったピンクレンジャーとイエローレンジャーは果敢にもアシンメトリーな一団の群れに飛び込んでいった。
 武器を使用した二人によってアシンメトリーな一団は次々と吹き飛ばされていった。
 一方、女王蜂もとい一団に指示を出している司令塔を探すことになったブルーレンジャーとグリーンレンジャーは……。
「次!!」
「まだまだ行くよ!!」
 なぜかこの二人もアシンメトリーな一団と戦っている。司令塔を探しているはずなのになぜなのか!?
 そうしているうちに一組となる三十体が倒された。
「あっ、レイ!! あのカードが飛んできたよ!!」
 やはり、一団を呼び出すカードが飛んできた。これにより新たな三十体が出現した。グリーンレンジャーは驚くが……。
「やっぱりそうか!?」
 ブルーレンジャーは落ち着いた様子で何かに気付いたようだ。
「エイミー、こいつらはもうこの一組で止まる!!」
 ブルーレンジャーは微笑でそう言った。
「仕掛けが判ったんだね!?」
 これには自然とグリーンレンジャーの表情も笑顔になった。
「あと一組耐えられるか!?」
「うん!!」
 そして、行きつく間もなく二人は一組の一団を倒した。これを見ていた女王蜂は……
「なんなの!? あの連中は……ええい、次!!」
「させるか!!」
 新たな一団を呼び出そうとする女王蜂。しかし、それをブルーレンジャーの光の矢が阻止した。ブルーレンジャーが矢を発した先は入場客が使うトイレに繋がる通路だった。
女王蜂と思える人物は、それに驚いて一団を呼び出すためのカードを床に散乱させてしまった。
「女!?」
 女王蜂の正体……それはスーツを着た長い髪の女だった。
「あの女……まさか!?」
 しかし、ミカエルにはその女に覚えがあった。
「あの女がカードの売人か!!」
 そう、この女こそが諸悪の根源だった。あのモンスター化しているテロリストもこの女からモンスター化のカードを買ったのだ。
「くっ!!」
「させないよ!!」
 スーツの女は悪足掻きなのか、一団を呼び出すために床に散乱したカードを拾おうとするが、グリーンレンジャーにセイントソーサーを投げられて阻止された。
「動くな!!」
 その隙にブルーレンジャーは、女に向かって矢を放つ体制をとっていた。
「無駄な抵抗は止めろ!! さっきはわざとはずしたが、今度ははずさないぞ!!」
「お願いだから大人しくして!!」
「分かったわ!!」
 女は負けを認めた。これによってブルーレンジャーとグリーンレンジャーは左右非対称の一団の増殖を止めることに成功したのだった。ちなみにブルーレンジャーは警告しただけで、矢を放つつもりは毛頭なかった。
 一方、ピンクレンジャーとイエローレンジャーは左右非対称の一団をあと数人にまで減らしていた。
「これが最後よ!!」
 そして、最後の一体を倒した。
「はあ……はあ……新しいグループは出てこねえな!?」
「レイとエイミーがやってくれたのね!!」
 最後と思える一組を一掃した、ピンクレンジャーとイエローレンジャーは次の一組が現れないところを見て、女王蜂が動きを止めたことを確信した。
 ピンクレンジャーが周りを見渡して、見つけたグリーンレンジャーは、笑顔で右手の親指を立てていた。その隣ではブルーレンジャーが女を拘束している。
すると、女はブルーレンジャーに対してこう尋ねた。
「ねえ、教えて!? なぜわたしがトイレの通路に隠れているって判ったの?」
 女にはなぜ自分の居場所が分かったのか解らなかった。それに対してブルーレンジャーはこう答えた。
「答えは簡単だ!! 最初こそどこからカードが飛んでくるか判らなかったが、何度か同じことを繰り返しているうちに同じ方向にしかカードが飛んでこないことに気付いたんだ。そして、連中は同じ方向から現れた。その場所があの通路だったんだ!! 一ヶ所に固まらずに様々な場所でカードを飛ばしていればあんたの勝ちだったかもしれないな!!」
「そう……」
 そう、非対称の一団を食い止められたのはブルーレンジャーとグリーンレンジャーの洞察力とタフさ……そして、女の過信によって起こされていたのだった。
「さあ……後はあんただけよ、シュウ!!」
 アシンメトリーな一団が片付き、ピンクレンジャーはモンスターと対峙しているレッドレンジャーの方を見た。
 レッドレンジャーとモンスターの鍔迫り合いはまだ続いていた。そして……
「おらあ!!」
「ぐはっ!!」
「俺の勝ちだな!!」
 鍔迫り合いの決着が決まった。勝ったのはレッドレンジャーだった。すると、レッドレンジャーは再び右腰のポーチに手を入れて……
「よし、これならよさそうだ!!」
 そう言って一枚のカードを取り出した。そのカードには衝撃波を放つ剣の絵と「SONIC」という五文字が描かれていた。
 レッドレンジャーは、それをモーファーにリードした。すると、セイントセイバーの剣先が赤く光りだした。
「俺の必殺技を受けてみろ!!」
 そう言って、レッドレンジャーはセイントセイバーを一振りした。すると、剣先から赤い衝撃波が飛び出して、モンスターに向かって飛び、直撃した。
「ぐはああああ!!」
 そして、モンスターはその衝撃によって吹き飛ばされた。だが……
「…………」
「どうした!? 俺を殺せ!!」
 モンスターは死ぬ覚悟を決めていた。だが、何故かレッドレンジャーは攻撃の手を止めてしまった。
「断る!! どんなことでも犯罪に繋がることは絶対しない!! それが俺たちのルールなんだ!!」
 そう、ジャスティス内では「犯罪につながることはご法度」というルールがあったのだ。今、ここでこのモンスターの命を奪えば、それはルールに反することになる。
だから、レッドレンジャーは攻撃の手を止めてしまったのだ。しかし、彼は心の中で「ではどうすればいい」と思っていた。
 ……とその時、ミカエルがこう言った。
「きみ、これを使え!!」
 彼はそう言って何かをレッドレンジャーに目掛けて投げた。レッドレンジャーはそれが何かわからなかったが、とりあえず受け取った。
「なぁあんた、このカードは何だい?」
「そのカードをリードしてモーファーが装着されている方の手の平をモンスターに向けるんだ!!」
 レッドレンジャーが手渡されたもの……それは、一枚のカードだった。そのカードには手の平の絵と「ALERT」という五文字が書かれていた。
 レッドレンジャーはミカエルの教えに従って、そのカードをリードして言われたとおりの行動をしてみた。
 すると……
「ぐああああ……」
 ALERTのカードをリードし、レッドレンジャーがモーファーが装着されている左腕の手の平を伸ばすと、その手の平から白い帯状の光が出現し、モンスターに当たった。
 すると、モンスターは徐々に姿が変わり、人間の姿に戻って行って、完全に人間の姿に戻ると、そのまま気絶した。
 これを見たレッドレンジャーは……
「なるほど……こういう事もできるのか!!」
 レッドレンジャーは命を奪わずに相手を制圧する方法があったことに驚いた。しかし、その内心では、例え相手がテロリストでも人の命を奪うことがなかったことに内心ホッとしていた。
 そこへ……
「シュウ!!」
「こっちは片付いたぜ!!」
 左右非対称の一団を片付けたピンクレンジャーとイエローレンジャーがレッドレンジャーのもとへとやってきた。
「こっちも片付いたぞ!!」
「女王蜂を捕まえたよ!!」
 別の方向からはブルーレンジャーとグリーンレンジャーが歩み寄ってきた。だが……
「女王蜂!? 何だ、それは!? それよりもレイが連れてきたそのねーちゃんは誰だ!?」
「そうだった……シュウだけ違う場所にいたんだっけ……」
レッドレンジャーはグリーンレンジャーが言う「女王蜂」の意味が解らず、頭に「?」と記号を巡らせている。先ほどまでテロリストと鍔迫り合いをしていたため、あの戦いの中ではただ一人その女王蜂やあの左右非対称の一団とは戦っていないのだから当然だ。
その女王蜂とはもちろんブルーレンジャーが拘束してきたスーツの女のことで、グリーンレンジャーはそのことをレッドレンジャーに教えた。
「なるほど!! じゃあこのねーちゃんがあのテロリストとお揃いの服装の連中を操っていたのか!!」
 レッドレンジャーは、ここに至ってようやくこのスーツの女がこの事件の黒幕だと理解した。
「教えてもらおうか!? この事件はあんたが起こしていたのか!?」
 レッドレンジャーは全てを理解すると、スーツの女にそう訊ねた。女は無言で首を縦に振って、否定をしなかった。
 そして、レッドレンジャーは次にこんな質問をした。
「じゃあもう一つ訊くぞ!? あんたは何者だ!?」
 じつはレッドレンジャーが知りたかったのは、彼女が事件を起こしていたことではなく、彼女自身が何者かだった。
 と、その時……
「私の部下を返してもらおうか!?」
 その何者かの言葉と同時に、何かが一瞬にレッドレンジャーの目の前を横ぎった。
「うわああああ!!」
「レイ!!」
 そして、その何かが向かった先を見ると、仮面で顔を隠したスーツ姿の謎の男が、ブルーレンジャーに拳撃を加えていた。
 ブルーレンジャーは両腕で防御をしているものの、衝撃で吹き飛ばされてしまった。
「…リリム…無事か!?」
「申し訳ありません……社長……」
 リリムという名の女はその男を「社長」と呼んだ。どうやらこの男は彼女の上司らしい。
「レイ……大丈夫!?」
「平気だ……あのパンチは効いたけどな!!」
 一方、吹き飛ばされたブルーレンジャーは命の別状はなかった。それどころかピンピンしていた。
「誰だ、あんたは!?」
 レッドレンジャーはブルーレンジャーの無事を確認すると、仮面の男にそう訊ねた。
「自己紹介がまだだったな……私は闇企業『デスサイズカンパニー』の代表取締役『ルシファー』、そして、彼女は私の秘書の『リリム』。以後お見知りおきを……」
「デスサイズカンパニー……!?」
 ルシファーと名乗りその男は自身を聞き慣れない企業「デスサイズカンパニー」の代表だと名乗った。
 すると、ピンクレンジャーはこう尋ねた。
「じゃあ、あのモンスター化したテロリストはあなたたちの仕業なの!?」
「ご名答!! 彼は我々の顧客だよ!!」
 ルシファーは、ピンクレンジャーの質問に悪びれることもなく、そう答えた。
あのテロリストは彼らからカードを買って、モンスターに変貌していた。つまり、彼らとあのテロリストには売り主と客の関係があったのだ。
すると、ここでイエローレンジャーにある疑問が浮かんだ。
「じゃあ、あのアシンメトリーなやつ等もあんたらの顧客かよ!?」
 そう、あの左右非対称な一団はどう説明するのかだった。
「いいや、あれはわが社の新商品である『サイザー』だ。今回は試作のために使ったに過ぎんよ!!」
 そう、あの左右非対称の一団こと「サイザー」はルシファーの差し金だったのだ。しかも、この事件を起こしたのもただサイザーの試験的なことだったと言う。この話を聞いたグリーンレンジャーは……
「じゃあ……そんなことのためにここのお客さんたちを巻き添えにしたの!?」
「だったらなんだと言うのだ!? 私は顧客が満足すればいいだけなのだ!! もっとも今回の顧客はきみたちの邪魔のせいで満足感が満たされなかったようだがね……」
 ただ買い物や食事を楽しんでこのショッピングモールに来ただけの関係ない人間を巻き添えにしたことに怒るグリーンレンジャー。だが、ルシファーはそんな彼女を尻目に「顧客のためだ」と言い張る。
 今回の事件……全てはデスサイズカンパニーとその顧客の利害関係の一致によって、引き起こされた関係のない客にとっては不運な事件だった。
 しかし、これを聞いたセイントフォースたちにある気持ちが芽生える。
「シュウ……あたしの気持ち解る!?」
「充分な!!」
「俺もだ!! あの仮面野郎はムカつくぜ!!」
「話して解る相手じゃなさそうだな!!」
「私……何の罪もない人たちを傷つける人は大っ嫌い!!」
 セイントフォースに芽生えた気持ち……それは、怒りだった。ただの利害関係の一致だけで、無関係な人たちを巻き込み、恐怖に陥れたルシファーとリリムに怒りを覚えたのだった。
 そして、セイントフォースはそれぞれの得意な格闘術の態勢をとると……
「満場一致!! あいつらをぶっ飛ばす!!」
 レッドレンジャーは胸を張ってそう言った。続いて、他の四人も「異議なし」と言った。
「行くぜ!!」
「ほう……威勢だけはいいな!!」
 先頭を切ったのはレッドレンジャーだった。彼はルシファーに向かって思い切って拳を振った。
 しかし、ルシファーはそれを左腕で受け止めた。
「だが、勢いだけでは私には勝てんぞ!!」
「うわあああああ……」
 そして、左腕でシュウのパンチを防いだ後、右腕を勢い良く振って、レッドレンジャーに反撃のパンチを繰り出した。
 レッドレンジャーはルシファーの拳によって、吹き飛ばされ、かなり離れた場所にある壁に叩きつけられた。
「シュウ!!」
「助太刀するぞ!!」
 それを見たブルーレンジャーはレッドレンジャーに加勢しようと、走り出した。ところが……
「待ちなさい!! 社長には指一本触れさせないわ!!」
「なに!?」
 ブルーレンジャーの前に立ちふさがったのはさっきまで拘束されていたはずのリリムだった。
「そこを退け!!」
「あなたには借りができたわね!? もっともその借りはこの場で返すけどね!!」
 リリムはそう言うと、スーツを脱ぎ捨てた。そして、ブルーレンジャーの視界に入ったのは、黒のレザースーツを身に付けたリリムだった。
「ほう……それがあんたの本当の姿か!?」
「行くわよ!!」
 これがリリムの本来の姿だった。その姿になったリリムは、ブルーレンジャーに向かって走って行き……
「なんだ、あんたやるじゃないか!! さっきは手を抜いていたのかい!?」
「私が一本の矢で臆するとでも思ったのかしら!?」
「もっともだ!!」
 リリムは拳法で戦うブルーレンジャーに同等に対処している。いや、じつはリリムの方が優勢に立っている。だが……
(……まずいな!! この女、俺より戦闘術に長けているぞ!!)
 ブルーレンジャーは言葉だけなら余裕を見せているが、自分が劣勢に立たされていることは心の中で解っていた。
「レイが押されてる……リオン!! あたしと一緒にシュウを助けに行きましょう!! エイミーはレイを助けてあげて!!」
「任せとけ!!」
「シュウをお願いね!!」
 これを見たピンクレンジャーはグリーンレンジャーにブルーレンジャーのサポートを任せると、自分はイエローレンジャーと一緒にレッドレンジャーを助けに行った。
「レイ!! 助けに来たよ!!」
「ありがとう、エイミー!!」
 グリーンレンジャーはブルーレンジャーとリリムの戦い合いの中に割り込むと、か細い腕でリリムを合気道で放り投げた。
 しかし、サッキュバスは受け身をとって態勢を立て直した。
「(こんな華奢な子が……!?)やるわね、お嬢ちゃん!!」
「私を甘く見ないでよね!! おねえさん!!」
そう言ってグリーンレンジャーはリリムに向かってウインクをした。
リリムは驚いた。目の前の青い戦闘服の青年のピンチに駆けつけたのは、まだ中学生ぐらいの緑の戦闘服を着た少女だったということに。そんなか細い腕の少女が大人の女である自分を放り投げたことに彼女は驚かされたのだ。
「よし、巻き返すぞ!! エイミー!!」
「オッケー!!」
「返り討ちにしてあげるわ!!」
 ブルーレンジャーはグリーンレンジャーの加勢に勝機を見出したのだった。二人は協力してリリムに向かっていった。一方……
「ほう……あのリリムが押されている。あんな若造と小娘に……」
 それを遠くから見ていたルシファーも、武術に長けているはずの部下がただの東洋系の青年とあどけなさが残る少女に押されていることに驚かされた。と……
「どこを見てやがる!? てめえの相手はこっちだぜ!!」
 そこへイエローレンジャーが拳撃を加えるために、特攻してきた。ルシファーはそれを意図も容易く受け止めると……
「確かにな……戦っている最中によそ見とは君らに失礼だったな!!」
「言ってくれるじゃねえか!! だからって手加減は一切しねえぞ!!」
 ルシファーは一生懸命に自分と戦おうとしているイエローレンジャーに礼をもって応戦することにした。
 一方、その頃……
「いててて……」
「シュウ、いつまで伸びているの!? あんたってパンチの一発で気絶するような奴だったの!?」
「言われなくたって解ってるよ!! それにしてもレイの言う事はウソじゃなかったな!! あの社長さん相当な実力者だ!!」
 ルシファーに吹き飛ばされたレッドレンジャーのもとにいるピンクレンジャーは彼に発破をかける。
 それに触発されたのかレッドレンジャーは頭を掻きながら立ち上がった。レッドレンジャーが戦線に復帰した。彼はルシファーの実力を改めて知った。
「……だけど、やられたままじゃ終われねえな!!」
「それでこそいつものあんたよ!!」
 そして、レッドレンジャーはルシファーを見ると……
「よし!! 第2ラウンドと行くか!!」
「そうしましょ!!」
 彼はピンクレンジャーと共に、イエローレンジャーに加勢するためにルシファーのもとへと走って行った。
「リオン!! 遅くなってごめん!!」
「疲れてねえか!?」
「やっと来たのかよ!!」
 そして、二人はイエローレンジャーと合流した。だが……
「気をつけろよ……この仮面野郎は相当な腕前だぜ!! 俺一人だけでも苦戦するんだからな!!」
 そう、この言葉通りイエローレンジャーは、ピンクレンジャーがレッドレンジャーのもとへ行って、一人でルシファーと戦っていた間ずっと劣勢に立たされていた。
ちなみにイエローレンジャーはジャスティスもといセイントフォースの中では最も腕力と運動能力が優れ、ケンカ慣れもしている。そんな実力を持ったイエローレンジャーが押し負けているということはルシファーが彼らより武術に優れていることを物語っていた。
「だったらここから挽回するわよ!!」
「社長さんよぉ!! 借りは返させてもらうぜ!!」
「ほう……人数が増えたか……だが、一人だろうが三人だろうが私には勝てん!!」
 レッドレンジャーとピンクレンジャーが加勢したことにより、ルシファーは三人の戦士を相手に戦うことになる。だが、ルシファーの実力は彼ら三人分もあった。本人の言葉通り三対一といってもそれに引けを取らない戦い方をしているのだ。
「リオンのいう事は正解のようね……」
「ああ……俺はウソが下手だからな!!」
 もちろん三人のパワーレンジャーもルシファーの実力は身をもって痛感していた。軍隊格闘、空手、ケンカ殺法とそれぞれ異なる戦い方をしてもルシファーは簡単に応戦してしまうのだ。
 すると、ここでレッドレンジャーが……
「アリス、リオン!! 二人同時にパンチを繰り出せ!!」
 レッドレンジャーは何かを思いついた様子で二人にそう言った。
「なんでだ!?」
「なんでもだ!!」
 しかし、イエローレンジャーの「なぜだ!?」という質問にレッドレンジャーは言葉を濁した。
 どうやら、戦っている相手であるルシファーに知られたくない内容のようだ。
 だが……
「リオン……シュウが考えてることは……」
「なるほど!! 悪くはねえな!!」
 ピンクレンジャーはレッドレンジャーが何を考えているのか理解できていた。彼女は、まだレッドレンジャーの意図を理解できていないイエローレンジャーに耳打ちでその意図を伝えた。
 イエローレンジャーはそれを聞いて、納得した顔をした。
「行くわよ!! リオン!!」
「おうよ!!」
 ピンクレンジャーとイエローレンジャーはレッドレンジャーの作戦を実行すべく、ほぼ同時にルシファーに向かって走ると、ほぼ同時にパンチを繰り出した。
 だが……
「愚か者どもめ!! 勝てないと判って自棄になったか!?」
 だが、二人のパンチはルシファーの両手で防がれてしまった。だが……
「そうでもないぜ!!」
「なにっ!?」
 その時、レッドレンジャーが突撃しながらパンチを繰り出そうとしていた。そう、ピンクレンジャーとイエローレンジャーはルシファーにレッドレンジャーの攻撃に気付かれないようにするための陽動役だったのだ。
「ほう……見事な陽動作戦だ……」
 レッドレンジャーたちの見事な連係プレーに関心を示すルシファー。ところが……
「だが、手が封じられたのならば足を使えばいいだけのことだ!!」
「なにっ!?」
 そう言ってルシファーはレッドレンジャーに蹴りを喰らわせた。けりをくらったレッドレンジャーは再び吹き飛ばされて壁に激突した。
「本当に愚か者どもだな……腕を封じれば拳の一つでも当たるとでも思ったか!? 笑わせるな!!」
 作戦が失敗した三人にそう言った言葉を投げかけるルシファー。だが……
「……いいえ……そうでもないわよ!!」
「なんだと!?」
 しかし、三人のセイントフォースの顔には悔しさなどなかった。寧ろ、勝ち誇った顔をしている。
「てめえの顔をよく触ってみろよ!!」
 イエローレンジャーは不敵な笑みでそう言った。ルシファーは言葉の意味がよく解っていない状態でそれに従う。すると、レッドレンジャーが……
「……いてて……よう、社長さん!! ここで問題です!! これなーんだ!?」
「それは……私の仮面!?」
「大正解!! これは返すぜ!!」
 レッドレンジャーは作戦が失敗したのにも関わらず、ルシファーにそんな言葉を投げかけた。
 だが、彼の右手には一つの仮面が握られていた。その仮面はルシファーがついさっきまで素顔を隠すために身に付けていたものだ。ルシファーはレッドレンジャーからその仮面を投げ返されると、それを受け取った。
「なるほど……あの赤い小僧の狙いは最初から私の仮面を剥ぎ取ることだったか!! これはしてやられたな!!」
ルシファーはここでやっとレッドレンジャーの意図を理解して、笑いながらそう言ったルシファーの素顔……それは物凄く端正な顔立ちをしていて、それを見た、ピンクレンジャーはほほを赤くして「やだ……結構イケメン!!」などと言っている。
 一方、その頃……
「……えっ!?」
「どうした!? エイミー!?」
「……誰!? あのイケメン!?」
 リリムとの戦闘の最中、グリーンレンジャーが、ルシファーがいる方向を見て、ピンクレンジャーと同じことを言っている。
 どうやらレッドレンジャーが引き起こしたルシファーの仮面剥ぎ取りを見たようだ。
「……まさか……仮面を剥がれたっていうの?」
「えーっ!?」
 リリムもすぐさまルシファーを見た。彼女は驚いていた。これを見たブルーレンジャーも「まさかあの仮面の男か!?」と驚きを隠せなかった。
  しかし、ここでイエローレンジャーがある事に気付く。
「……ってかこの顔、このブレスレット貸してくれた兄ちゃんとそっくりじゃねえか!!」
 そう……ルシファーの顔はセイントフォースにモーファーを提供したミカエルにそっくりだったのだ。それはまるで鏡に映ったかのようだった。
 ……と、そこへ……
「……やっぱりあなただったのか……」
 そこに今までセイントフォースの戦いを見ていたミカエルがルシファーの前に現れた。しかし、ルシファーは……
「……ほう……久しいな……ミカエル!!」
「……こっちもだよ……兄さん!!」
 ルシファーはミカエルを知っている様子だった。
 だが、ミカエルはそんなルシファーを呼び捨てるのではなく「兄」と呼んだ。これにセイントフォースは「えーーーーーっ!?」と大声で驚いた。
「……驚いたな……まさかパワーレンジャーが結成されていたとはな……貴様の筋肉ばかりの部下があまりにも厳しい故に適合者が見つからなかったので凍結していたと思ったんだがな!?」
 しかし、ルシファーはパワーレンジャー・セイントフォースの誕生のきっかけとなる「パワーレンジャープロジェクト」のことを知っていた。
 なぜ彼がパワーレンジャープロジェクトのことを知っていたのかは不明だが、ミカエルはそんな彼に対してこう言った。
「彼らは偶然適合者と認識されたが、実力を本物だっただろう!?」
「……違いないな!!」
 ミカエルは自信をもってパワーレンジャー・セイントフォースの実力を証明した。
 しかし、ルシファーもそれは知っていた。いくらパワーレンジャー・セイントフォースがついさっき結成されたばかりの急造部隊とは言え、身をもってそれを体験したのだから当然である。
 そして、ルシファーはパワーレンジャー・セイントフォースの方を見た。そこでは彼に吹き飛ばされたレッドレンジャーの前にピンクレンジャーとイエローレンジャーが歩み寄っていて、リリムとの戦いを中断して駆けつけたブルーレンジャーとグリーンレンジャーも歩み寄った。
 そして、ルシファーはレッドレンジャーがピンクレンジャーの手を取りながら立ち上がるのを見ると、一言こう言った。
「……貴様ら……パワーレンジャーとか言ったな!? 貴様らの実力はよく解った!! だが、今の貴様らの戦い方では私の戦いの欲求が満たされたわけではない!! だから、もっと鍛えて強くなって見せろ!! 私が満足するほどにな!!」
 ルシファーはレッドレンジャーから返された仮面を握りつぶして破壊しながらそう言った。セイントフォースの実力は認めたが、ルシファー曰く今回の彼らの戦いは100%満足が行く戦いではなかったようだ。
「へっ、臨むとことだ!! 国民を悲しませるあんたらなんかには絶対に負けねえよ!!」
 しかし、レッドレンジャーはルシファーに物怖じなどしていなかった。それどころか、ルシファーの宣戦布告に敢えて乗っかっていたようだった。それはピンクレンジャーをはじめとした他のメンバーも同じだった。無関係な国民を傷つけた者への怒りは五人全員が同じ気持ちだったのだ。
「……ふん……帰るぞ!! リリム!!」
「……はい!!」
 ルシファーはセイントフォースの意志が解ると、リリムを連れて退却していった。
一方、セイントフォースは……
「……デスサイズカンパニー……あいつらがアメリカの……俺たちの敵なのか!?」
 セイントフォースもルシファーが統率するデスサイズカンパニーをアメリカの脅威……そして、自分たちが倒すべき敵だと認識していた。
 すると、それを見ていたミカエルは……
「……私の目に狂いはなかった!!」
 ミカエルはここでジャスティスの五人がパワーレンジャーになったことが間違いではなかったと思い知らされた。
 そして、ミカエルはこう言った。
「……よし!! 決めた!!」
 ミカエルは何かを決意した様子だった。はたして、彼の決意とは何なのか!?
 だが、彼らはまだ知らない……パワーレンジャー・セイントフォースとデスサイズカンパニー……この二つの勢力の出会いは、まだこの物語の始まりでしかないことを……。

……SEE YOU NEXT TIME!!

パワーレンジャー・セイントフォース 第1話完成 披露会

Posted by 桜埜春佑 on 17.2015 パワーレンジャー・セイントフォース 0 comments 0 trackback
 こんにちは、今回は私のオリジナル戦隊ヒーロー作品「召獣戦隊マジックフォース」のアメリカを舞台にした作品が完成したので試験的な意味も込めまして、公開するに至りました。

 その名も「パワーレンジャー・セイントフォース」です!! えっ?「パワーレンジャーってなんですか?」ですか?
 お答えいたしましょう。パワーレンジャーとは日本で放送された「東映スーパー戦隊シリーズ」をアメリカでリメイクした作品です。このシリーズは変身後のスーツは日本で使用したものをつかい、変身前の役者は現地の俳優さんを起用しています。言わば、アメリカのスーパー戦隊です。しかし、アメリカでは、スーパーマンやスパイダーマンなどがいますが、彼らは日本のヒーローで例えると、昭和の仮面ライダーやウルトラマンなどの基本的には一人で戦うヒーローです。アメリカでも日本でまだ初代戦隊ヒーロー「秘密戦隊ゴレンジャー」が誕生していなかった頃の「ヒーローは孤独に戦う存在だ」という考えが強かったようです。しかし、20年位前に「恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992年)」の戦闘シーンを現地で撮影した日常のシーンと組み合わせて編集したヒーローがチームを作って、悪と戦うという内容の番組は視聴者の心を掴みました。その番組こそが「パワーレンジャー」です。このパワーレンジャー、じつは第1作目だけで終わるはずでしたが、予想以上に人気が出てしまいシリーズ化して、現在もシリーズが作られているようです。

 さて、パワーレンジャーが何かというのが解ったところで、話は今回公開する「パワーレンジャー・セイントフォース」の話題に戻ります。今回公開する第1話はごく平凡な高校生である赤居翔助たち5人が日本を支配する悪の軍団「デスカオス」と戦う戦士「召獣戦隊マジックフォース」になってしまう第1話と彼らの戦いに興味を持ったデスカオスの将軍「ヴァンデック」が彼らに決闘を挑む第2話をベースにさせていただきました。

 あらすじは、ボランティアを趣味とする5人の大学生がショッピングモールでボランティアをしているときに事件に巻き込まれ、戦士の資格を得ることになってしまいました。彼らは「パワーレンジャー・セイントフォース」として多々合うという運命に立ち向かっていきます。

 では、その内容は本編をご覧ください!!

パワーレンジャー・セイントフォース 概要

Posted by 桜埜春佑 on 10.2013 パワーレンジャー・セイントフォース 0 comments 0 trackback
 この項では不定期小説「パワーレンジャー・セイントフォース」の紹介をしていきたいと思います。今回はストーリーと主役の5人を紹介していきたいと思います。ある掲示板で投稿した5人のイラストも紹介したいと思います。

<ストーリー>
西暦20××年アメリカ。この国は滅亡に瀕していた。それは今から半年前…仮面で顔を隠した謎の男ルシファー率いる暗黒組織「デスファントム」が世界中に謎のカードをばらまき人々をモンスターへと変貌させていたからだ。モンスターに変貌した一般人の前には警察はおろかアメリカ軍も無力だった。

それを黙ってみることができないアメリカ軍の大佐ミカエルは上官の命令で対デスファントム用特殊部隊「セイントフォース」のメンバー選出の任務を言い渡される。しかし、あまりにも厳しい選出訓練により候補生は次々と脱落していき、最終的には一人もいなくなってしまった。

そんなある日、上官に休暇を命じられたミカエル。しかし、彼はセイントフォースが発足できないことに焦っていた。自分がゆっくり羽を伸ばしている間にもデスファントムが誰かをモンスターにして暴れまわらないかと気が気でなかったからだ。

だが、彼の不安は現実のものとなってしまう。人で賑わう週末のショッピングモールにテロリストが乱入。彼らはデスファントムの手先だと言い、あのカードを使ってモンスターに変身する。逃げ惑う客たち。だが、そんな客たちの中に逃げる姿勢を見せない五人の若者がいた。「俺たちの出番だ」とリーダー格の青年がつぶやくと五人はモンスターと化したテロリストに戦いを挑んだ。警察の話によると彼らはある大学に通う学生で「アメリカで一番の命知らずな連中」だと言う。

彼らの無謀かつ勇敢な姿勢にミカエルはあることを決意する。彼らの無茶ぶりに戦士としての素質を見出したのだ。ミカエルは彼らに事情を話すと五人をセイントフォースに抜擢した。五人組のリーダー格シュウ・グレンバーグは「臨むところだ」と言ってそれを引き受けた。こうして、セイントフォースの戦いは始まった。

<登場人物>
レッドレンジャー:シュウ・グレンバーグ(想定CV:柿原哲也)
レッドレンジャー
シュウ・グレンバーグ

アメリカ空軍元帥を父親に持つ大学生。黄色人種。人を助ける(ただし犯罪を除く)ためなら何でも引き受ける慈善事業サークル「ジャスティス」のリーダー。正義感は強いが、危険を顧みない性格で「本物の命知らず」と周りから呼ばれている。元々はアメリカ空軍元帥の父親に憧れて空軍学校に進学しようとしていたが、自分を「アメリカ空軍元帥の息子」としか見ずに媚を売る教官たちに失望して辞退した過去を持つ。そんな苦い経験からか「そんな大人にはなりたくない」とジャスティスを立ち上げた。また、ジャスティスのメンバーはそれぞれ得意な仕事があり、彼は部活動やサークルなどのピンチヒッターを得意とする。18歳。戦い方は軍隊格闘

ピンクレンジャー:アリス・フローラ(想定CV:伊藤かな恵)
ピンクレンジャー
アリス・フローラ

シュウの幼なじみ。白人の少女。才色兼備で成績優秀な才女。その正体はアメリカで5本の指に入る大会社「フローラ財閥」の社長令嬢。しかし、進学する学校や婚約者など自分のことを全て勝手に決める父親の強引さを嫌っているため束縛も嫌う。しかし、元々は父親とは仲が良かったらしい。行き当たりばったりなシュウを支える副官タイプ。得意な仕事分野はベビーシッター。18歳。戦い方は空手。

ブルーレンジャー:レイ・ウェン(想定CV:宮野真守)
レイ・ウェン
レイ・ウェン

東洋系の若者。無口で無愛想なため何を考えているのか判らないが、知的であるため女子生徒からの人気は高い。家族は皆医者の家系である救急救命士の資格を持っていて発作などで倒れた人と出くわすと率先して応急処置にかかる癖がある。しかし、故郷にいる姉には頭が上がらない。そんな姉に幼少時自分が引き起こした事故で足に障害を負わせてしまい自分で直そうと勉強ばかりの毎日を送っていたが、シュウを見て考え方を改める。普段は糸目だが、戦うときには目が開く。得意な仕事分野は家庭教師。18歳。戦い方は拳法。

イエローレンジャー:リオン・エクシス(想定CV:中村悠一)
イエローレンジャー
リオン・エクシス

黒人の若者。シュウ、アリス、レイの三人とは一つ年上だが、ケンカに明け暮れたことと兄弟を養うための前年の不登校により単位が足りなかったために一年留年している。大家族の長男で父親はフットボールの元花形選手だった。彼自身も運動神経は抜群でフットボール部に所属していたが、ケガによって選手生命が絶たれたと同時に周りから掌を返されたことによりケンカばかりの毎日を送っていた。しかし、シュウと男の友情が芽生えて理由のないケンカからは足を洗った。得意な仕事分野はインストラクター。19歳。戦い方はケンカ殺法(ただし他のメンバーが学んで習得したのに対して彼だけは自然と身に着けた)。

グリーンレンジャー:エイミー・アルスマン(想定CV:悠木碧)
グリーンレンジャー
エイミー・アルスマン

二人目の女戦士かつ最年少。ヒスパニック系。他の四人とは少し年が離れているが、小学校卒業とともに飛び級で入学してきた天才少女。しかし、その天才的な頭脳が故に他の学生からは妬まれたり敬遠されたりしていたため、他人に対して心を閉ざしていた。しかし、人並みに接してくれるシュウたちと出会い明るさを取り戻す。五人の中では一番手先が器用。得意な仕事分野はトリマーでペットの身形の整理や心のケアを得意とする。12歳。戦い方は合気道。
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