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MISSHON3「覚醒!!召獣剣士」

Posted by 桜埜春佑 on 24.2010 召獣戦隊マジックフォース 0 comments 0 trackback
                      1
 ここはカオスキャッスルのエントランス。今ここではプロフェッサーと呼ばれる初老の男がヴァンデックと四准将、そしてデスフォーゼを呼び出していた。
「将軍、マジックフォースの情報を手に入れてきました。」
「言ってみろ。」
 プロフェッサーなる男はどこから手に入れたのかマジックフォースの情報を手に入れていた。デスフォーゼはその情報を読み上げるように命令した。
「マジックイエロー黄田村鉄哉…十六歳。真実西高等学校一年C組在籍。出席番号二十五番。家族構成は料理店経営の父親と雑誌編集者の母親に弟と妹の五人で武術道場の長男で現在は引退した父親に代わって師範代をしています。」
「あの背の高い黄色い髪の小僧か…」
「マジックブルー青原健次…十六歳。真実西高等学校一年C組在籍。出席番号十七番。家族構成は病院を経営する両親と看護士の姉の四人で忙しかった両親に代わって七つ上の姉に面倒を見てもらっていたようです。彼自身も医学に精通していて救急救命の知識に長けています。」
「あの無愛想な青い髪の小僧だな。」
「マジックグリーンジョン・G・アルス…十六歳。真実西高等学校一年C組在籍。出席番号十番。家族構成は獣医師の両親のみで兄弟がいない三人家族です。大の動物好きで高校生になった今でも野良猫や野良犬を拾ってくるそうです。」
「あの小柄な緑色の髪の小僧だな。」
「マジックピンク桃野あかり…十六歳。真実西高等学校一年C組在籍。出席番号三十一番。マジックフォースで唯一の女のメンバーです。家族構成は大学教授の父親と専業主婦の母親のみで兄弟がいない三人家族です。近所では有名な子供好きでそれが元で保育園や幼稚園でアルバイトをしているそうです。」
「あの気の強そうな桃色の髪の娘か…」
「そしてマジックレッド赤居翔助…十六歳。真実西高等学校一年C組在籍。出席番号三十二番。マジックフォースのリーダー格です。家族構成はマジシャンの父親と女優の母親の三人家族です。ただこの両親は現在仕事で日本を離れていて他の家族は会社社長の祖父がいます。しかし、彼は桃野あかりと幼なじみの関係にあり、祖父の力を借りず彼女の家族に食事の世話になっています。」
「あのチームの中心に立っていた赤い髪の小僧か…」
「プロフェッサー…その情報どこで手に入れた?」
「企業秘密でございます。」
「喰えん男よ。」
 プロフェッサーなる男はマジックフォースの全てを知っていた。在籍している学校とクラス…出席番号…家族構成…プライベート…なぜかその全てを知っていた。
「総統閣下、今回は私に指揮を任せてもらえませんか!?」
「なんだと!?」
「私にいい考えがあるのです。」
 すると、そのプロフェッサーなる男は今回は自分に戦闘の指揮を任せてほしいと言う。彼は「言い考えがある」と自身満々に言った。
「いいだろう…今回はお前が行け!!」
「ありがたき幸せ…」
 デスフォーゼはそれを許可した。はたしてこのプロフェッサーと呼ばれる男は一体何者なのか?
                      2
「ここは…」
「一体どこなの…」
 その頃、翔助たちマジックフォースは何故か廃墟の中にいた。
「うわあ!!」
 と、その時突然自分たちの後ろで爆発が起こった。
「なんだあれは!?」
「怪物!?」
「大きい…」
 再び前を向き直すとそこには巨大で醜悪な怪物がのっしのっしと歩いていた。その怪物はあたり構わず口から発せられる光線で周りの建造物を破壊していく。
「逃げるぞ!!」
 マジックフォースは攻撃を受けまいと必死で怪物から逃げることしかできなかった。五人は爆炎の中をただひたすら逃げた。
「やめろ!!」
 そこへ五召獣が現れた。五体は協力しあって戦うが、苦戦を強いられていた。と、その時…
「だったらこれならどうだ。」
 「これならどうだ」とマジックドラゴンが叫んだ。すると、五召獣はそれぞれの色の光に包まれぶつかり合った。
「あの姿は…」
 光に包まれた後に現れたのは一体の人型ロボットだった。それは五召獣たちが合体した姿だった。
「あれは聖なる巨人…」
「えっ…」
 と、その時「あれは聖なる巨人」という声と共に一人の少女が現れた。その少女はゼムスと同じ赤い瞳と金色の髪を持っていて、年齢は翔助たちとさほど変わらない姿だった。
「君は…!?」
「召獣は仲間や主と力を一つにして最強の力を得ます。」
「なにを言ってるの!?」
「そして、彼らに最強の力を与えられるのはあなたたち…」
「最強の力ってあれのことかよ!?」
「あれは一体何なんだ!?」
「どうやるの?ボクたちにはどうしていいのかわからないよ!!」
「それはあなたたちが手に入れた力で出来ます。」
「オレたちが与えられた力!?」
 「君は誰だ」という翔助の質問に答えることなく謎の少女は「召獣に最強の力を与えられるのはあなたたち」と言う。さらに彼女は「彼らに力を与えるためにはあなたたちが手に入れた力が必要だ」と言う。
「召獣は契約者の行動によって正義の使者になれば悪の化身にもなります。彼らを正しい道に導けるかはあなたたち次第です。」
 「召獣は正義になることもあれば悪になることにもなる。その結果はあなたたち次第だ」と謎の少女は言った。
「御健闘をお祈りしています。」
「ちょっと待ってくれ、君は一体誰なんだ!?」
 「健闘を祈る」それだけを言い残すと謎の少女は名も名乗らずに遠ざかって行った。翔助たちは名を訊こうと後を追いかけるが、何故か追いつくことができなかった。
「待ってくれーーーーーっ!!」
「きゃっ!?」
「あれ…夢…!?」
 気がつくと見慣れた地下基地で横になっていた。突然奇声を上げる翔助に揺り起こしていた聖歌も驚いた。今目の前で起きていたのは夢だったのか?
「その夢を見たのはお前だけじゃねえよ…」
「召獣たちが合体した場面だろ…」
「それならボクたちも見たよ」
「何だったのかしら…」
 しかし、その夢を見たのは翔助だけではなかった。鉄哉たちも同じ夢を見ていた。五人全員が揃って同じ夢を見る。これは必然なのかそれとも偶然なのか…。
「あの時と同じかな?」
「いや、あれは夢なんかじゃなかった。現実に起きたことだった。」
 ジョンはあの時と同じだと言った。彼が言うあの時とは召獣と初めて出会った時のことである。しかし、そのことは召獣が二度も自分たちの前に現れたことで夢ではないと証明された。では今回も夢ではないのか?
「おい、マジックドラゴン!!お前なにか知っているか?」
「いいや、俺たちはなにも知らないぜ。」
「私たちが最初に記憶させられたのは本来のマスターの名前だけですわ。」
 翔助は召獣たちならなにか知っているはずと思い聖歌たち普通の人間には姿を見ることも出来なければ声を聴くこともできない召獣たちにこのことを訊ねた。しかし、マジックドラゴンは全く知らないと言い、マジックドルフィンは自分たちが一番最初に記憶したのはゼムスや聖歌などの本来のマスターの名前だけだと言う。もちろんドラゴンとドルフィンは嘘など言っていない。
「ねえ、その夢ってどんな内容なの?」
「じつは…」
 そこへ聖歌がその夢がどんな内容なのかと訊ねた。翔助はその夢のことを話した。
「へえ…」
「聖歌さん、なにか知っていますか?」
「いいえ知らないわ…」
「そうなんですか。」
 夢のことを聞いた聖歌は。何かを知っているかというあかりの質問に「知らない」と言った。しかし、彼女はなにか嘘を言っているようではないようだ。
「しょうがない…この事は忘れよう。」
 これ以上考えても埒が明かないと思った五人は今回のことは本当に夢であったと割り切ることにした。
「そう言えば聖歌さん、ここに残ったんですよね。」
「ええ、そうよ。私が先生と呼んでいる人が復職をサポートしてくれるって言ったんだけど私は断ったわ。そうしたらゼムスと一緒にあなたたちをサポートするように言われたわ。」
 話を切り替えたあかりは聖歌がここに残ったことを話題にした。じつは、用事で出かけているゼムス以外の三人。強一郎、秀一、翼は「先生」と慕う人物のサポートで元の職業に復帰し、この場を去った。しかし、聖歌だけはそれを断りこの場に残ったのだった。それによって「先生」と仰ぐ人物からゼムスと共に翔助たちをサポートするように命じられたのだった。
「強一郎たちが言ってたわ。一緒に戦うことはできないけどこれからは陰ながら手助けしていきたいって。もうマジックフォースはあなたたちに任せても大丈夫って思ったみたいよ」
「みんな、そう思ってたんだ。」
 「共に戦うことはできないが、陰ながら助けていきたい」と言って強一郎たち三人は去って行った。そんなゼムスたち本来のマジックフォースたちの想いを知った翔助たち現在のマジックフォースは改めて自分たちのおかれている状況を理解した。
「ただいま…」
「お帰りなさい、ゼムス。」
 そこへゼムスが地下基地に現れた。だが、彼は何故か疲れている様子だった。
「どうしたんですか?そんなに疲れた顔しちゃって…」
「スポンサーたちを説得してきたんだ…」
「スポンサー?」
「あなたたちを資金的援助してくれる人たちよ。」
 「スポンサーを説得してきた」と意味不明なことを言い出すゼムス。聖歌によるとマジックフォースに資金援助をしてくれる人たちがいるという。
「でも、彼らは君たちが僕たちの代わりに戦うことに反対でね。そんな頭の固い連中を説得してきたんだ。でも、僕が言っても治まらなくて先生の鶴の一声でようやく納まったんだ。」
「ご愁傷様です。」
「…で、認める条件に下されたのが、僕と聖歌で君たちの指揮を取れって訳さ」
「それでスーツを着てるんだ。」
 しかし、そのスポンサーたちは翔助たちがマジックフォースをやることを反対していた。しかし、ゼムスが師と仰ぐ「博士」なる人物がそれを鎮め、スポンサーたちを落ち着かせた。
 だが、翔助たちがマジックフォースをやることについては一つ条件がついた。それはゼムスと聖歌が彼らの指揮官になることだった。
 よくゼムスを見ると彼は普段と同じく店の制服ではなくスーツを身につけていて、それらしい格好をしていると言える。まずは服装から始めようという博士なる人物の意向であった。
「そう言えば聖歌、君宛てに大荷物が届いているぞ。」
「完成したのね。行ってくるわ。」
「届け物はレジの上に置いておいたぞ。」
「完成した?なにがですか?」
「まだ秘密!!」
 一通り事情を説明した後でゼムスは話を切り替えて聖歌に彼女宛ての荷物が届いていることを教える。聖歌は心当たりがある様子でその荷物を取りに行った。
「持ってきたわ。」
 聖歌は数分もしないで戻ってきた。彼女は大きなダンボール箱を抱えて戻ってきた。
「聖歌さん、それは一体なんですか?」
「あなたたちへのプレゼントよ。私の手作りのね!!」
「プレゼント!?」
「開けてみて!!」
 聖歌は翔助たちにプレゼントを用意していた。それがこの大きなダンボールの中身だ。「なにが入っているかは開けてみてからのお楽しみだ」と言わんばかりに聖歌は箱を開けるように翔助たちに言った。
「これは!!」
「驚いた!?あなたたちのために作ったチームジャケットよ。」
「これ聖歌さんがデザインしたんですか?」
「そうよ、あなたたちのためにデザインして、発注したのよ。これでも私モデルをしながら服飾デザインの専門学校に通っているの。…と言っても今は休学中だけどね。」
 ダンボール箱の中に入っていたのは五着のジャケットだった。そのジャケットは黒を基調とし、それぞれ色、召獣のモチーフ動物を模った背中のマークと英語で書かれたそれぞれのキャッチフレーズ、ポケットの位置が異なっているものだった。
聖歌は専門学校で習っている服飾デザインの知識を生かして、彼らのためにチームのユニフォームを用意したのだ。
「聖歌さん、着てみていいですか?」
「もちろんよ、あなたたちのために用意したんだから。」
「じゃあ早速着替えてみましょう。」
「えっ、なんでだ?」
「出た…健次の天然ボケ…」
「えっ、俺なんか変なこと言ったか?」
「とにかく覗いたら命ないからね!!」
「誰が見るか、そんな貧相な胸!!」
「なんですって!!」
「ぐはっ!!」
「だあもう覗かねえから着替えてこようぜ。」
「そうだよ、更衣室は男女で分かれているんだから覗けるわけないよ。」
 …と、いうわけでグダグダではあるが五人は早速真新しいジャケットに袖を通すことになった。
「わあ、ぴったり!!」
 聖歌が作ったジャケットに満足するあかり。そんな彼女が袖を通した桃色のジャケットの背中にはマジックドルフィンのモチーフであるイルカのプリントが施され、英語で「愛情の戦士」という文字もプリントされている。
「かっこいい!!」
 自分専用の制服に大はしゃぎするジョン。そんな彼が袖を通した緑のジャケットの背中にはマジックイーグルのモチーフである鷲のプリントが施され、英語で「優しさの戦士」という文字もプリントされている。
「すごい。」
 口は少ないがジャケットに満足している健次。そんな彼が袖を通した青のジャケットの背中にはマジックウルフのモチーフである狼のプリントが施され、英語で「知性の戦士」という文字もプリントされている。
「なかなかいいぜ!!」
 嬉しいプレゼントに喜びを隠せない鉄哉。そんな彼が袖を通した黄色のジャケットの背中にはマジックライオンのモチーフであるライオンのプリントが施され、英語で「闘志の戦士」という文字もプリントされている。
「マジで戦士らしく見えるぜ!!」
 ジャケットをプレゼントされ一番はしゃしでいたのはリーダーである翔助だった。そんな彼が袖を通した赤のジャケットの背中にはマジックドラゴンのモチーフである竜のプリントが施され、英語で「正義の戦士」という文字もプリントされている。
「聖歌さん、ありがとうございました。」
「どういたしまして。喜んでくれて私もうれしいわ。」
 思いがけないプレゼントに五人は声と動きをピッタリとあわせてお礼を言う。それにはジャケットをデザインした聖歌も嬉しそうであった。
「んっ!?」
 その時、五人は違和感を感じた。それは誰かからの視線だった。
「あれあの子は…」
「あの子よ、この前うちの前に来たのは。」
 視線の主は入り口の扉からこちらを見ていた。その主は先日あかりの家の前に現れた少女だった。その少女は金色の髪を左右で束ねていて、くりくりとした赤い瞳を持ったまるで人形のように可愛らしい少女だった。
「あら、また会ったわね。」
「あっ…」
「逃げちゃったよ。」
 しかし、あかりが先日のことで礼を言おうとするとその少女は逃げるように去っていった。
「おい、ちょっと待て…ここはカードキーを持っている人間しか入れないはずだぞ。」
 ふと健次は疑問に思った。この地下基地は厳重なロックがされていて、その扉を開けるために必要なカードキーを持っている人間しか入ることができない。そして、そのカードキーを持っているのはゼムスたち本来のマジックフォースの他にはつい最近カードキーを貰ったばかりの自分たち五人だけ。つまり今のところ十人しか入れないこの地下基地に十一人目の人間が入っていることは不自然なことだった。
「大丈夫よ、あの子はここのカードキーを持っているわ。」
 聖歌は言う。「彼女はカードキーを持っている」と。それは少女が自分たちと部外者ではないことを意味していた。もちろん翔助たちも彼女が部外者だとは思えなかった。
「ゼムス、あの子は?」
「あの子かい…あの子の名前はフェリア僕の知り合いだよ。」
 ゼムスはその少女の名が「フェリア」だということを教えた。彼によると彼女は自分の知り合いだと言う。
「あれ、あの子ランドセル背負ってなかったか?」
「ああ、あの子はこの街の小学校に通ってるんだよ。」
 鉄哉はあることに気付く。それはフェリアがオレンジ色のランドセルを背負っていたこと。ゼムスによると彼女はこの近くにある小学校に通っているらしい。
「ちょっと待て、今日は日曜のはずだぞ?」
 すると、今度は健次が新たなことに気付く。今日は日曜日…週休二日制が定着している今学生は小学、中学、高校と問わずに休みのはずである。実際に高校生である翔助たちも日曜休みであるためにここに来ていたのだ。
「いやあ…今日は授業参観なんだけど…」
「どうしたんですか?」
 授業参観があるためフェリアが学校に行っていると言うゼムスだが、何か気まずそうな口調になった。
「僕が授業を見に行くはずだったんだけど、重役の連中がまだ納得していなくてまた説得しに行かなくてはならなくなったんだよ。」
「私も無理よ、私が行ったら店番する人がいなくなるし。」
 ゼムスはこの日、フェリアの授業参観に行くはずだったが、急に用事ができてしまい行けなくなってしまっていた。聖歌もまた、自分が行けば店番する人間がいなくなってしまうため、店から出ることができないでいた。
 本来なら、この場合はこの場を去ったほかの三人の誰かに頼む所だが、それは不可能であった。
「じゃあオレたちが行きますよ。」
「家に帰ってもやることないしね。」
「誰もきていないとかわいそうだしな。」
 困っている二人と誰も来なくて寂しい思いをするかもしれないフェリアを心配した翔助たちは自分たちが行くと名乗りを挙げた。
「分かった、それじゃあ頼むよ。」
「あの子のクラスは真実小の3年2組よ。それと一時間目は社会で二時間目は家庭科で調理実習だからね。」
「分かりました。」
「えっ、真実小!?3年2組!?」
 こうして五人はフェリアの授業参観に行くことになった。だが、鉄哉だけはなぜか彼女が通う学校の名と在籍するクラスを聞いて驚いていた。
                     3
「…ここだわ。」
「なつかしいな…」
「へえ、健次ってここの卒業生なのか?」
「ああ、俺だけじゃなくて鉄哉もこの学校の卒業生だよ。」
「まさかあの子が俺の弟と同じクラスだなんて思わなかったぜ。」
 授業参観を引き受け、真実小へと足を踏み入れた五人。この学校のOBである健次はかつて通っていた学び舎を懐かしんでいたが、同じOBである鉄哉はフェリアと自分の弟がクラスメートであることに驚いていた。
「おじゃましまーす…」
 3年2組の教室に辿りついた五人。まずはジョンが先頭を切って教室の扉を開いた。
「おーい!!」
「あっ…」
 教室に入るなりフェリアを見つけたあかりは彼女に向かって手を振る。しかし、フェリアは恥ずかしそうに目線を逸らした。
「あれ、鉄哉!?」
「親父!?」
「なんで、お前がここにいるんだ?」
「あの金髪の女の子の授業を見にきたんだ。本来来る人が来られなくなったから俺たちが代わりに来たんだよ。」
「なるほどな。」
 すると、一人の男性が鉄哉に声をかけてきた。この鉄哉よりも背が高く筋肉質な体つきをしているこの男性は飲食店で料理長をしている鉄哉の父親だった。彼は下の息子の授業参観に来ていたのだが、上の息子が来ることなど予想もしていなかったのだ。その様子を見ていた鉄哉の弟は父だけではなく兄もここに来ていることに気付いた。
「それじゃあ授業を始めます。」
 そんなこんなで女性担任が行なう授業参観が始まった。
「さて、織田信長は部下に裏切られて本能寺で命を落としてしまいましたが、その部下の名前は誰でしょう?」
(…簡単!!簡単!!明智光秀だよ。)
ここで担任の問いに生徒が答えることになった。その問いは戦国の武将織田信長を裏切った本能寺の変の首謀者とされる人物の名前は誰かというものである。その正解は勉強が苦手な翔助でもすぐ解るものだった。彼の言うとおり正解は明智光秀である。
「あれ!?」
「あの子、手を挙げてないわ。」
 五人は不思議な光景を目にする。フェリアが手を挙げていないのだ。しかし、それだけなら普通の光景だが、彼女以外の生徒は皆手を挙げていた。それが不思議な光景だったのだ。
 そして、その後も何度か担任が質問を繰り出したのだが、フェリアが手を挙げることはなく結局社会の授業は終わってしまった。
「さて、次は家庭科です。お父さんお母さんたちの前でおいしいカレーを作りましょう。」
「はーい!!」
 一時間目の社会が終わり、次は参観者が見ている中で料理を作る家庭科。クラスの生徒たちは父親…または母親と歩調を合わせて調理室に移動していった。
「勝哉!!」
「あっ、兄ちゃん。」
「よう!!」
「あれ、その格好はなに?」
「まあ…チームのユニフォームだ…そのことよりあの金髪の女のこのことなんだけどな…」
「フェリアちゃんのこと?」
 鉄哉は父と共に調理室に向かおうとしている弟の勝哉に声をかけた。フェリアのことで彼に話があったのだ。
「ねえ、なんであのこと仲良くしてあげないの?」
「まさか、いじめているとかはないよね?」
「それだったら俺が許さんぞ!!」
 「何故あのこと仲良くしない」とあかりが単刀直入に質問した。ジョンは勝手な思い込みで勝哉にフェリアをいじめていないかと言い、それを間に受けた健次はもし本当だったら俺が許さないと凄みをきかせる。健次はそういった卑怯な行為が神経質なほど嫌いなのだ。
「違うよ、あの子つい最近転校してきて友達が少ないからオレやみんなで遊びに誘ったんだけど一度も来ないし返事を返したこともないんだ…」
しかし、もちろん勝哉はいじめなどしてない。それどころか彼をはじめとしたクラスメートは皆フェリアに優しく声をかけ、誰もが遊びにも誘うのだが彼女は返事もしないのだと言う。
「健次、これどういうことなんだろ…」
「たぶんあの子は極度の人見知りなんだろう…遊びに誘われるのはいいんだけど転校してきたばかりで返事をする勇気を出せないでいるんだな…」
 健次はフェリアが極度の人見知りな性格であると分析した。これは転校して間もないから話すのが怖いという状況なのだろうか…
「大丈夫だよ、オレに任せてよ。だって同じ班だもん。他のみんなにも頼んでみるよ。」
「そうか…じゃあ頼んだぞ!!」
 勝哉はフェリアと友達になる気があり、ちょうど次の調理実習では同じ班に割り当てられていた。彼は他の同じ班のメンバーにも仲良くするように頼んでくると言ってくれた。それにはマジックフォース五人も安心の表情を見せた。
                       4
「今日は皆さんも大好きなカレーを作ります。」
 そして、調理実習は始まった。三十人の生徒たちは五人一組の班を作り、六組に分かれてカレーライスを作ることになった。彼らは翔助たちも含めた参観者が見ている中で調理を開始した。
「大丈夫かしら…」
「仕方ないだろ、オレたちは参観者だ。見守るしかできないさ。」
「すまんあかり、もうちょっとだけ勝哉を信じてくれ。」
 心配が消えないあかり。それに翔助は「自分たちは今参観者だ。見守ろう」といい、鉄哉も「弟を信じてくれ」と頼むことしかできない。
「じゃあ、栞はジャガイモの皮を剥いてくれ。恭平は牛肉をたのむ。絵美は米を研いでくれ。オレはたまねぎを切るから。」
「…………」
「あー…やっぱり孤立してるよ。」
「これは失敗かな…」
 リーダーシップをはり、それぞれのメンバーに作業分担をする勝哉。しかし、ここでもフェリアは誰にも話しかけることができない。マジックフォースの表情も徐々に曇っていく。
「フェリアちゃん。ニンジンを切ってよ。」
「えっ…」
 そこへ、勝哉が声をかける。彼はフェリアを仲間はずれになどせずちゃんと役割を与えたのだった。
「…でも」
「だいじょうぶ、分からなければオレが教えるからさ。」
 不安そうな顔をするフェリアに勝哉は笑顔で「分からなければ教えてあげるよ」と優しく返事をする。これに他のメンバー三人も「僕たちも教えるよ」と言って優しくフォローする。
「うん…やってみる。」
 フェリアはそれを笑顔で返すと、勝哉や他のメンバーの手を借り、なれない手つきながらも楽しそうにニンジンを切り始めた。
「よかった…」
「あの子、あんな可愛らしい顔で笑うんだな。」
「そう言えばあの子の笑顔を見るのは初めてだな。」
「うん、さっきの授業では沈んだ顔しか見てないもんね。」
 フェリアが班のメンバーと打ち解けてホッと胸を撫で下ろすあかり。それと同時に彼らは始めてフェリアの笑顔を見ることができた。
「へえ、勝哉のやつなかなかやるな。」
「そりゃそうさ…だって俺の弟だからな!!」
 息子の活躍に鉄哉の父は関心を示した。鉄哉も「当たり前だ、だって俺の弟だからな」と言う。
 そして、フェリアの班は五人で協力し合ってカレーライスを完成させた。
「それでは皆さんでいただきましょう。」
「いただきます。」
 そして、試食会が始まった。
「おいしい!!」
 班のメンバー五人で作ったカレーライスに舌鼓を打つマジックフォース。一方のフェリアたちも嬉しそうに会話をしながらカレーライスを食べていた。
「ねえみんな…」
「なに?」
 すると、フェリアが初めて勝哉たちに声をかけた。
「私、ビーストファイトやったことないの…だから教えてほしいんだ。」
 「ビーストファイトのやり方を教えてほしい」と頼むフェリア。それは彼女が初めての遊びへの誘いだった。
「いいよ。」
「僕も一度フェリアちゃんと対戦してみたかったんだ。」
「私、対戦できるお店知ってるよ。」
「放課後一緒に行こうよ。」
「ありがとう!!」
 勝也たちの答えはもちろんOK。フェリアも笑顔でお礼を返した。
「やった!!」
「よっしゃあ!!」
「うん!!」
「ばんざーい!!」
「大成功ね!!」
 勇気を出し、友達を作ることができたフェリアを見てマジックフォースの五人も歓喜のあまりハイタッチをする。
                      5
「ここか…」
「そうだ…ここにターゲットがいる。」
 一方、学校の裏口では警備員を気絶させて侵入してきた怪しげな二人組がいた。
「それにしてもいい作戦だな、家族を人質にとってマジックフォースを脅すなんて…」
「人質にするターゲットは覚えているか?」
「ああ、黄田村勝哉…この学校に在籍している生徒でマジックイエローの弟だろ。まさか、マジックフォースがここにきているとは思わなかったぜ。」
「ミスはするなよ。」
「分かっている。」
 怪しい行動をする謎の二人組。彼らはマジックフォースがこの校舎にいることを知っていた。そうとは知らないマジックフォースと勝哉に危険が迫っていた。
「ふう…食った食った!!」
「おいしかったわね。」
 その頃、調理室では試食会が終わりに差し掛かっているところだった。マジックフォースや他の人たちは侵入者が校内に侵入したことなど全く気付いていなかった。
「うっ…」
「どうした勝哉?」
「ちょっとトイレ行ってくる。」
「俺もいいか?」
「親父もかよ、いいよいってこい。」
 すると、勝哉と鉄哉の父は尿意をもよおしてトイレに行った。ところが…
「おせえな…」
「そうだな…」
「もう十分になるよ…」
 二人がトイレに行ってから十分が経過しようとしていた。だが、二人が戻ってくる気配はなかった。
「でも、本当に遅いわね…」
「オレ、先生に二人を捜してくるって言ってくるよ。」
「私たちも行く。」
 戻らない二人を心配したマジックフォース。心配になった翔助は担任に二人を捜しに行くように頼みに言った。
「うわああああ…」
「なに今の?」
「悲鳴?」
「この声…親父!?」
「近いぞ!!」
「行ってみよう!!」
 その時、男性の悲鳴が聴こえてきた。それは鉄哉の父親の悲鳴だった。五人は慌てて調理室から出た。
「親父!?」
 調理室を出ると、そこには鉄哉の父親が頭から血を流して倒れていた。どうやら誰かに襲われたようである。
「大丈夫ですか?」
「しっかりしてください!!」
「大丈夫だ、死んではいない。」
「親父…誰にやられた!?勝哉はどうした!?」
「変な二人組に教われた…勝哉はそいつらに…」
「変な二人組?」
 負傷した父親を抱きかかえる鉄哉。父親は謎の二人組に襲われ勝哉を誘拐されたと言う。
「勝哉くん!!」
「フェリアちゃん!?」
「行くな、危ないぞ!!」
 勝哉が連れ去られたと聞いたフェリアは翔助たちが止めるのも聞かずに犯人を追いかけていった。
「まずいよ、下手したら返り討ちに遭うかもしれないよ!!」
「先生、救急車を呼んだら他の人たちの避難をお願いします。」
「分かりました。」
 鉄哉の父親が放っておけば危険な状態になると判断した健次は担任に救急車を呼ぶように指示した。
「翔助!!」
「マジックドラゴン!?」
 その時、マジックドラゴンが翔助たちに呼びかけた。しかし、それに気付いたのは翔助たち五人だけ。担任をはじめとした他の人たちにはその声は聴こえていなかった。
「邪悪な気をキャッチしたぜ。この建物の中だ!!」
「もしかして犯人って…」
「デスカオスか!?」
 召獣たちは邪悪な気を読み取っていた。翔助たちは気付いた勝哉を誘拐した犯人はデスカオスの手先だと…。
「みんな、マジックドラゴンが言った言葉が本当なら犯人はまだこの建物の中から出ていないはずだ。追いかけるぞ!!」
「ドルフィン、聴こえる!?」
「バッチリですわ!!」
「犯人の気を追跡できる?」
「もちろんですわ!!」
「あたしたちは犯人を追いかけるわ!!その犯人の居場所を教えて!!」
「分かりましたわ!!」
 このままでは勝哉だけではなくフェリアまでもが危険な目に遭う。居ても立ってもいられなくなった五人は犯人を捕まえることにした。五人は召獣たちに犯人の気を負わせながら追いかけることにした。
「みつかりました。どうやら犯人たちは屋上に追いつめられているようです。」
「あの子に追い掛け回された挙句に屋上以外に逃げ場を無くしたのか…」
「よし、行くぞ!!」
 犯人たちはフェリアによって屋上に追いやられていたようだった。五人は急いでその場所へと向かった。
                       6
「勝哉くんを返して!!」
「くそっ…しつこいガキだ。」
「まさかここまで追ってくるとは」
 一方、犯人たちを追いかけていたフェリア。やはりマジックウルフの読みどおり二人組の犯人は屋上に追いつめられていた。その二人組とは一人は科学者風の初老の男、もう一人はチーマー風の柄の悪そうな男だった。
「このガキ…ぶっ殺してやる!!」
「こら、余計なことはするな!!」
 フェリアの執念に起こったチーマー風の男はポケットから折りたたみ式のナイフを取り出した。
「ああ…あああ…」
「フェリアちゃん、逃げろ!!」
 一転してピンチになるフェリア。科学者風の男に担がれている勝哉は自分に構わずに逃げろというが、凶器を目にしたフェリアは腰が抜けて立てなくなってしまう。
「死ね!!」
 チーマー風の男は科学者風の男の制止も聞かず非情にも立てなくなってしまったフェリアに牙を向く。
「危ない!!」
 と、その時翔助が現れ間一髪でフェリアを助けた。
「俺の弟を返せ!!」
 そして、それに続いて他の四人も屋上に現れた。
「勝哉くんを放しなさい!!」
「言われなくても返してやる。そもそもこの小僧はお前たちを誘き寄せるための餌だからな!!私はお前たちがここにきていることも知っていたのだ。お前たちがかかった以上人質はもう必要ない!!」
「餌だと!?」
 「勝哉くんを解放しなさい」というあかりの一言に素直に応じる科学者風の男。彼によると勝哉はマジックフォースを誘き寄せるための餌だという。
「お前たちデスカオスか!?」
「いかにも…私はデスカオス博士“プロフェッサーデッド”だ。」
「そして、俺はデスカオスの五人目の准将になる男だ!!」
 「お前たちはデスカオスか」という健次の質問に「その通りだ」と返す科学者風の男。彼は自身を「プロフェッサーデッド」と名乗った。そして、もう一人は「自称五人目の准将になる男」だと名乗った。
「勝哉…親父は無事だ…今保健室で救急車を待っている。そばについてやってくれ!!」
「フェリアちゃんもお願い!!」
「分かった!!」
「後はオレたちに任せろ!!」
「うん!!」
「いいのか…!?行かせて!!」
「ああ戦いに巻き込むわけにはいかねえんだ!!」
 鉄哉は弟に「親父は無事だからそばについてやれ」と言い、あかりはフェリアにも彼のそばにいてあげてほしいと頼む。そして、「後はオレたちに任せろ」と言う翔助の言葉を信じたフェリアと勝哉は急いで保健室に走った。この場を離れさせたのは「戦いに巻き込みたくない」という鉄哉の弟を想う心からだった。
「さあ…今度の相手はオレたちだ!!」
「おい悪党ども、よくも俺の弟を誘拐してくれたな!!」
「おまけにフェリアちゃんにまで危害を加えようとした。絶対に許さない!!」
 フェリアと勝哉に危害を加えようとしたプロフェッサーデッドとその手先にマジックフォースの怒りは頂点に達した。
「ほざけ!!おい、後は任せたぞ!!」
「任せろ!!」
「あれは…」
「あの時と同じだ!!」
 怒りにみちているマジックフォースを尻目にプロフェッサーデッドは手先の男に一枚のカードを手渡した。マジックフォースの五人にもそれは見覚えがあった。
「うおおおおおおお…」
 左腕に居装着されているブレスレットにカードをリードさせた配下の男はみるみると醜悪な怪物に姿を変えた。それは先日戦ったハサミカオスの時と同じだった。
「さあオオガマカオスよ、准将の座に就きたいのならば奴らを始末しろ!!」
「やってやるぜ!!いでよ野郎ども!!」
「ギーーーーッ!!」
 カオスモンスター「オオガマカオス」となった配下の男はマジックフォースに襲いかかってきた。オオガマカオスはカードでデビラー兵団を召喚した。
「みんな、オレたちも行くぞ!!」
 迎え撃つマジックフォースは翔助の合図でそれぞれ異なる場所にあるポケットから変身用カードを取り出した。
「チェンジだ!!」
「マジックチェンジ!!」
 五人は息を合わせて返信用カードをマジックチェンジャーにリードし、戦闘用の姿となった。
「正義の戦士マジックレッド!!」
「闘志の戦士マジックイエロー!!」
「知性の戦士マジックブルー!!」
「優しさの戦士マジックグリーン!!」
「愛情の戦士マジックピンク!!」
「笑顔を守る五人の戦士!!召獣戦隊…」
「マジックフォース!!」
 五人は見事に名乗りを決めた。
「ミッションスタート!!」
「野郎どもかかれ!!」
「ギーーーーーッ!!」
「みんな、鉄哉の親父さんの弔い合戦だ!!」
「死んでねえ!!勝手に殺すな!!」
「二人ともふざけてる場合じゃないでしょ!!」
「ぞろぞろ来るよ!!」
「大掃除の時間だ!!」
 戦闘体制に入ったオオガマカオスはデビラー兵団をマジックフォースの元に立ち向かわせた。
「三分で片付けてやる!!マジックサーベル!!」
 五人は無数のデビラー兵を一掃するべく共通武器マジックサーベルを使用するためのカードを召喚し、それをリードした。すると、五人の前に色違いのビームサーベルが現れた。これがマジックサーベルだ。
「よっしゃ行くぜ!!」
「一気にたたみかけるぞ!!」
「ギーーーーーッ!!」
 マジックサーベルを装備した五人は次々と現れるデビラー兵をばったばったと倒していく。十体…二十体とデビラー兵は次々と黒い砂へと変えられていった。
「雑魚は片付いたぜ!!」
「次はお前だ!!」
 そして、残るはオオガマカオスだけとなった。
「行くぞーーーー!!」
「上等だ!!クソガキども!!」
「うわぁ!!」
 果敢に立ち向かうレッドだったが、オオガマカオスが右腕の鎌から発する無数の衝撃波によって返り討ちに遭ってしまった。
「翔助!?大丈夫!?」
「平気だ…でも問題はあの衝撃波だ。あれを繰り出されている限り奴には近づけないぞ。」
「あれは厄介な攻撃だね!!」
 ここで問題が生じる。オオガマカオスが発する衝撃波である。これを繰り出されている限り攻撃を与えることはおろか近づくこともできない。
「みんな、落ち着いてくれ…俺たちにはチームワークがあるだろ。俺は奴の攻撃の欠点を見つけた。俺が奴の目を引く。その間にみんなは奴を攻撃してくれ。」
 すると、ブルーが打開策を思いついた。彼はレッドたちに「俺たちにはチームワークという武器があるじゃないか」と言い、自分が敵の目を引く間に攻撃を仕掛けろと言う。
「よし!!頼んだぜ健次!!」
「無駄な足掻きを!!」
 無駄な足掻きと言わんばかりに無数の衝撃波を繰り出すオオガマカオス。だが、五人は避ける素振りを見せない。
「今だ!!散開しろ!!」
「分かった!!」
「なに!?」
「思ったとおりだ。いくら無数の攻撃を繰り出せたって自分の目線のほうにしか繰り出せない。」
 マジックアローで次々衝撃波を打ち落としていくブルー。そして、彼の指示でレッドたち四人はバラバラに散っていく。ブルーは先程の敵の攻撃を見て敵は前方一ヶ所にしか攻撃を繰り出すことができないという欠点を見破ったのだ。
「お次はこれだ!!」
「猪口才な!!」
 続いてグリーンが間髪いれずにマジックディスクを投げ、オオガマカオスに直撃させた。
「飛んでけーーーーー!!」
「うわあああああ」
 次にピンクが相手に気付かれることなく近づく腹にマジックロッドを食らわせると梃子(てこ)の原理を利用して敵を空中に投げ飛ばした。
「みんな準備はいいか!?」
「いつでもいいぞ!!」
 そして、次はレッドの攻撃。しかし、なぜかブルー、グリーン、ピンクの三人はレッドの指示で腕で踏み台を作った。
「受けてみろ!!これは鉄哉の親父さんの痛みだ!!」
 ブルーたち三人を踏み台にして大空高く飛んだレッドは空中でオオガマカオスに斬りつけた。
「これはまだ前菜だ!!」
「なに!?」
「驚いたか!?オレは囮だったんだよ!!」
 攻撃はまだ終わりではなかった。オオガマカオスが上を見上げるとそこにはイエローがいた。
「メインディッシュだ。勝哉とフェリアちゃんの痛みも味わいやがれ!!」
 イエローが振り下ろしたマジックハンマーはオオガマカオスに直撃した。その攻撃を受けたオオガマカオスは衝撃で空中からアスファルトの地面へと叩きつけられた。レッドの攻撃はイエローの攻撃に気付かせないための囮だったのだ。
「おのれ…クソガキども…」
 オオガマカオスはまだ動けていた。しかも、アスファルトに叩きつけられたのにも関わらず傷を負う程度で済んでいた。
「みんな…敵は弱っているぞ!!召獣砲をやるぞ!!」
「オッケー!!」
 敵が弱ったことを確認したマジックフォースは召獣砲を使用することにした。五人はすぐさま召獣砲を使うためのカードを呼び出した。
「俺だけカードが出ない…」
「どうやら今回は鉄哉が砲手みたいだね。」
「頼んだぞ!!」
「やってやるぜ!!」
 召獣砲発動用カードは砲手に選ばれなかった四人の目の前にしか選ばれない。今回はレッドではなくイエローの目の前にカードが現れなかった。どうやら今回の砲手に選ばれたのはイエローのようである。
「はあああああ…」
「はあああああ…」
「はあああああ…」
「はあああああ…」
「受けてみやがれ!!マジックフォース合体技召獣砲!!」
 イエローの召獣砲は手の平から光を発して打ち込むレッドのものとは違い握り拳を衝撃波として発するものだった。
「うわあああああ…」
 拳型のイエローの召獣砲は見事にオオガマカオスに直撃した。ところが…
「まだだ…」
「なに!?元に戻っていない!?」
 オオガマカオスはまだ人間の姿には戻っていなかった。
「バカめ、お楽しみはこれからだ。」
「うおおおおおお…」
「なんだ!?」
 部下がやられたというのに「お楽しみはこれからだ」と言って慌てる様子を見せないプロフェッサーデッド。すると、突然オオガマカオスが苦しみ始めた。よく見ると彼の右肩からは悪魔を思わせる紋章が浮かび上がってきた。それと同時に彼の体はみるみると巨大化していく。
「うそーーーーーっ!?」
「巨大化した!!」
 何倍にも巨大化したオオガマカオスにマジックフォースは一転してピンチに陥った。
「召獣を呼ぶんじゃ!!」
「誰!?」
「じいちゃん!?」
「えーーーーッ!?」
 と、その時「召獣を呼べ」という老人の声が聴こえ文字色てきた。すると、そこには六十代後半のスーツを着た男性が立っていた。それはマジックレッドこと赤居翔助の祖父赤居翔造だった。
「なんでじいちゃんがここに!?」
「話は後じゃ、このカードを使え!!カードをリードしたら“召獣召喚”と叫びながら左腕を天にむかって伸ばすんじゃ!!」
「分かった…みんな、とりあえずやるぞ。」
 翔造は召獣を呼び出す方法を教えた。五人が彼に手渡されたカードにはそれぞれの契約召獣が描かれていた。マジックフォースは言われるがままにその手順を行なうことにした。
「召獣召喚!!」
 五人は言われたとおりにカードをリードすると「召獣召喚」と叫びながら左腕を天に向かって伸ばした。すると、五人の拳から五色の光の筋が現れて天に伸びていった。
「なんだあれは?」
「鯨!?」
「あれは召獣の長マジックホエール。召獣のドンといったところかのう。」
 そこへ現れたのは巨大な鯨型のロボットだった。翔造によるとこのロボットも召獣で名前はマジックホエールといい、召獣たちを纏める長老的存在だと言う。
「若い衆…出番じゃぞ。」
 「出番だ」そう言ってマジックホエールは口を大きく開けた。
「やっと出番が来たか!!」
「待ちくたびれたってんだ!!」
「敵は排除します!!」
「大暴れシマース!!」
「やってやりますわ!!」
 大きく開いたマジックホエールの口の中からはマジックドラゴンをはじめとした五召獣たちが現れた。
「ドラゴン、何でお前がここに!?」
「今は話をしている場合じゃねえ!!俺たちに乗り込め!!」
「乗り込む…そうか!!みんなドラゴンの言葉に従おう。それぞれの契約召獣に乗り込むんだ!!」
「どういうこと?」
「さっきの夢を思い出せ!!」
「そうか…そういうことか!!」
 「今は話している場合ではない。早く俺たちに搭乗しろ」とマジックドラゴンはマジックフォースをせかす。その言葉を聞いたレッドは先程の夢を思い出した。その言葉の意味を理解したレッドは他のメンバーにマジックドラゴンの言葉に従ってそれぞれの契約召獣に乗り込むように言う。その言葉にイエローたちも意味を理解した。
「てあっ!!」
「はあっ!!」
「とおっ!!」
「やあっ!!」
「えいっ!!」
 マジックドラゴンの言葉を理解した五人はそれぞれの契約召獣に乗り込んだ。
「すげえ…オレたち召獣と一緒に戦うんだ…」
「カッコいいぜ!!」
「よし、後半戦開始だ!!」
「形勢逆転だね!!」
「畳みかけるわよ!!」
 マジックフォースは思わぬ戦力を手に入れた。これにより再びマジックフォースの快進撃が始まった。
「マジックライオン!!体当たりだ!!」
「任しとけ!!」
「ぐはあ!!」
 イエローはマジックライオンに攻撃を支持する。それに従ったマジックライオンはオオガマカオスに体当たりをした。その攻撃を受けたオオガマカオスは尻餅をついた。
「続くぞマジックウルフ!!切り裂け!!」
「了解です!!」
「ぎゃあ!!」
 次に攻撃を仕掛けたのはブルーだった。ブルーの指示に従ったマジックウルフは前足の爪でオオガマカオスの顔を引っ掻いた。オオガマカオスは堪らずに顔を抑えた。
「次はボクたちだ。吹き飛ばせマジックイーグル!!」
「オッケーデース!!」
「うわあああああ!!」
 続いたのはグリーン。グリーンの指示に従ったマジックイーグルは翼を羽ばたかせて強風を巻き起こした。オオガマカオスはそれに耐え切れずに吹き飛ばされてしまう。
「マジックドルフィン。いったーい一発お願いね!!」
「私の一撃は本当に痛いですわよ!!」
「いてえ!!」
 四人目はピンク。ピンクの指示に従ったマジックドルフィンは体を思い切り回転させ、尾びれでオオガマカオスの顔を叩いた。その攻撃にオオガマカオスは大声を上げて痛がった。
「よし、最後はオレたちだ!!マジックドラゴン、きつい一発をお見舞いしてやれ!!」
「よっしゃあ!!」
「ぐはああああ!!」
 最後に攻撃を支持したのはレッド。レッドの指示に従ったマジックドラゴンはオオガマカオスを持ち上げて低空で飛行すると、オオガマカオスを引きずり回した。オオガマカオスはそのまま数メートルか引きずられた。
「てめえら…ちょこまかうぜえ!!」
「やべえ!!」
「怒らせちゃった!!」
 ところが、度重なるマジックフォースもとい召獣の攻撃に痺れを切らしたオオガマカオスは我を忘れて暴れ回る。召獣たちは危なっかしく攻撃を避けるが、ビルなどの建物が次々とオオガマカオスの攻撃を直撃した。
「まずい…このままじゃ東京が地図から消されるぞ。」
「どうしよう翔助!?」
 このままでは街に大きな被害が出る。ピンクはチームのリーダーであるレッドにどうしようか尋ねた。
「みんな、もう一度さっきの夢を思い出せ!!」
「さっきの夢?」
 打つ手なしの四人にレッドは「もう一度さっきの夢を思い出せ」と言う。
「確か、五召獣たちが巨大な怪物と戦って…」
「夢に出てきた女の子はオレたちになんて言った!?」
「夢の中の女の子!?…そうか!!」
「ああ!!五召獣たちは合体できるんだ!!オレたちの命令でな!!」
「なるほど!!」
「そうだろ、マジックドラゴン!!」
「ああ、俺もお前のじいさんから聞いて驚いたぜ。」
 レッドは夢の中で謎の少女が自分たちに五召獣は一つの姿になる事ができると言っていた事を思い出した。それと同時に「それを可能にするのはあなたたちです」と言っていたことも思い出した。レッドはそのことから五召獣が合体することができると理解したのだった。レッドは一応マジックドラゴンにそのことを訊ねると、マジックドラゴンたちも翔造から聞かされて最初は驚いたと言う。
「みんな、召喚のカードをリードしながら“召獣合体”と叫べ。そうすれば俺たちは合体できる。」
「よしみんな、やるぞ!!」
「おう!!」
「やってやるぜ!!」
「オッケーよ!!」
「再び形勢逆転だね!!」
「召獣合体!!」
 マジックドラゴンから合体の方法を聞いたマジックフォースはすぐさまそれを実行した。マジックフォースが召獣召喚のカードをリードしながら「召獣合体」と叫ぶと五召獣たちは体を分解させたり変形させたりしながら次々と合体していく。
「なんだあれは…!?」
「すげえ…これが召獣たちが合体した姿か!?」
「驚いたか?名付けて“召獣剣士グレートマジック”だぜ!!」
 オオガマカオスの目には召獣たちが合体して生まれた巨大な人型ロボットが向き合って立っているように見えた。一方、マジックフォースはそれぞれの契約召獣に乗っていたはずだが、いつの間にか全員が一つのコクピットに搭乗していた。マジックドラゴンはこの巨大ロボットの名を「召獣剣士グレートマジック」と呼んだ。
「マスター、命令はなんだ!?」
「あいつを倒すぞ。でも殺すな、生きて警察に突き出すんだ。」
「了解!!」
 五召獣もといグレートマジックはマジックフォースに命令を促した。五人の気持ちは一つ「敵を殺さずに倒すこと」だった。レッドはチームを代表してそれを命令した。これはオオガマカオスを警察に突き出すことで罪を悔い改めさせることを意味していた。
「てあっ!!」
「おのれ!!」
 グレートマジックに乗ったマジックフォースはまたも優勢に立った。五人が動きを合わせることでグレートマジックは動いていた。逆にオオガマカオスはまたもピンチとなる。
「おい、そいつらを始末するんじゃなかったのか!?そんなんじゃ五人目の准将なんて夢のまた夢だな!!」
「うるせえ…」
 劣勢に立つオオガマカオスにプロフェッサーーデッドが発破をかける。ところが、デッドは次の瞬間信じられないことを口にする。
「十分で倒せ!!そうしないとお前は死ぬぞ。」
「えっ!?」
「なにっ!?」
「言い忘れていたが、貴様が使ったカードの巨大化効果は十分しか持たない。時間が過ぎれば使用者は死ぬのだよ。」
「なんですって!?」
それは突然だった。プロフェッサーデッドは「十分以内にマジックフォースを倒さなければお前は死ぬぞ」とオオガマカオスに言った。カードにプログラムされた巨大化効果にはデメリットがあり十分以上巨大化し続ければ使用者は命を落としてしまうのだった。
「聞いてないぞ!?」
「言わなくて当然だ、最初から命の制限時間があるって言っていれば貴様はこの任務を放棄していただろう。」
 完全に寝耳に水であったオオガマカオス。それに対してプロフェッサーデッドは「話していれば貴様は任務を放棄していただろう」と言い返した。
「さあ、どうするマジックフォースの諸君。街の壊滅を防ぐにはその怪物を殺すしかないぞ!!」
「貴様…」
 プロフェッサーデッドはマジックフォースに対して「街を守るためにはオオガマカオスを殺すしかない」と言ってオオガマカオスを殺すように仕向ける。医者の息子であるブルーは人の命を弄ぶその行為に怒りを感じずにはいられなかった。
「うわああああ…嫌だ…嫌だ…嫌だあああああああ!!」
「自棄起こしやがった!!」
「この光景、なんかデジャヴだよ。」
「巨大化してるから余計にたちが悪いわ。」
 数分後には死ぬと言われて我を忘れてしまうオオガマカオス。我を忘れて暴れ回る点では前回のハサミカオスと同じだが、今回は巨大化しているため余計たちが悪かった。
「殺すしかないの!?あたしはいや!!人を殺すなんて…」
「俺は医者の息子だ…むやみやたらに人の命を奪うことなんてできない。」
「ボクも同じだよ。あの人がどんな罪を犯したか知らないけどちゃんと生きて償うべきだよ!!」
「俺もだ…あいつは親父や勝哉を襲った許せない奴だけどこんな絶対に死に方をさせちゃいけねえんだ!!」
「オレも同じだ…でも打つ手がないんだ…」
 オオガマカオスも元は一人の人間。人の命を簡単に奪ってはいけない…五人の気持ちは同じだった。だが、前回と違って今は召獣砲を使える状況ではなく打つ手がなかった。
「殺すしかないのか…」
 「殺すしかないのか」と誰もがそう思い始めていた。
「命を奪う必要はありません!!」
「この声は…」
「夢に出てきた女の子の声だわ!!」
 と、その時「殺す必要はない」と言う少女の声が聴こえてきた。五人はその声に聞き覚えがあった。それは先程の夢の中に出てきた少女の声だった。
「殺す必要はありません…悪しき心を斬ればあの人は元に戻ります。」
 「殺す必要はない。悪の心を斬れば敵は元の姿に戻る」と謎の少女は言う。
「どうすればいいんだ?」
「マジックセイバーを使ってください。」
「マジックセイバー?」
「悪しき心を斬る剣です。この剣士の剣には悪しき心を斬ることができる力が宿っています。」
 完全に手詰まりなマジックフォースに謎の少女は「マジックセイバー」を使えと言う。マジックセイバーはグレートマジックの必殺武器で謎の少女によると「悪しき心を斬ることができる剣」だと言う。
「みんな、これに賭けてみようぜ。」
「当然だ。」
「殺すことがねえならそれに賭けるべきだぜ。」
「人殺しなんて絶対いやだもんね。」
「やってみましょう!!」
 レッドはマジックセイバーを使う方法に賭けてみようと他のメンバーに促した。当然その提案には他のメンバーは誰も反対はしなかった。寧ろ反対する理由などなかった。
「きみ、名前は?」
「フィリスです。」
 レッドはなぜか声だけの少女に対して名前を尋ねた。その少女は自身をフィリスと名乗った。
「フィリス、どうすればマジックセイバーは出現するんだ?」
「手に剣を握っている場面を想像してください。ですが、全員の息が合っていなければグレートマジックは剣を持つことができません。」
 フィリスは剣を握っている場面を想像すればマジックセイバーは現れると言う。だが、五人の息が合わなければグレートマジックは剣を装備することができないと言う。
「よし、みんな剣を持ってる場面を想像するんだ!!」
 レッドを中心とし、五人は剣を持っている場面を想像した。
「これは…」
「成功です。グレートマジックにマジックセイバーが装備されました!!」
 すると、五人の右手に光の剣が現れた。その光の剣はレッドには赤色の剣とそれぞれのメンバーカラーをしていた。フィリスによるとそれはマジックセイバーの出現に成功したことを意味していた。その証拠にグレートマジックの右手には一本の剣が握られていた。それがマジックセイバーだった。
「よしみんな、あいつを助けるぞ!!」
 マジックセイバーの出現に成功したマジックフォースはグレートマジックをオオガマカオスに向かって突っ込ませた。
「グレートマジック必殺剣術…召獣斬!!」
「ぐあああああああ…」
「ミッションコンプリート!!」
 グレートマジックの必殺技「召獣斬」が炸裂し、オオガマカオスは無数の粒子となって消えて言った。
「やったの?」
「分からない…」
 街が滅ぼされるのは回避することはできたが、オオガマカオスだった男が死んでいるのか生きているのかはまだ確認できなかった。
「あっ、あれ見て!!」
「あの野郎、まだ笑ってやがる!!」
「捕まえるぞ!!」
 すると、グリーンがあることに気付いて校舎の屋上を指差した。そこには部下が倒されたと言うのにまだにやついているプロフェッサーデッドの姿があった。五人は彼を捕まえて警察に突き出すべく慌ててグレートマジックから降りた。
「プロフェッサーデッド!!」
「お縄を頂戴しろ!!」
「逃がしゃしないぜ!!」
 グレートマジックを降りたマジックフォースは逃げられないようにプロフェッサーデッドを取り囲んだ。
「くっくっく…」
「なにが可笑しい!?」
「バカめ…オオガマカオスはただの囮だ!!私の本当の狙いは日本全土にあのカードをばら撒くことだ。今頃それが完了している所だな!!」
「なんだと!?」
 逃げ場を失っているというのに不敵な笑みを見せる。じつは彼の本当の目的は日本全土に先程と同じカードをばら撒くこと。オオガマカオスはその計画をマジックフォースに気付かせないための囮だったのだ。
「プロフェッサー、作戦は完了したわ。」
「うむ、それでは引き上げるか。」
 そこへ、サキュアが姿を現した。作戦が成功したことを報告しにきたのだった。
「マジックフォースよ、これからは日本全国の国民が貴様らの敵だ。貴様らに勝ちはない。せいぜいがんばることだな。」
「まてっ!!」
 プロフェッサーデッドは「これからは日本の国民全てが貴様らの敵だ」と言い放ってサキュアと共に霞みのように消えていった。
「逃げられちまった!!」
「くそっ!!」 
 結局プロフェッサーデッドには逃げられてしまった。危うく殺人犯にされかけたブルーは人一倍悔しがった。
「みんな、こっちに来て!!」
 その時、ピンクがこっちに来てほしいと声をかけてきた。そこにはグリーンに抱きかかえられているオオガマカオスだった男が横たわっていた。
「大丈夫、生きているよ。」
「うううう…」
「よかった…」
 男は生きていた。フィリスの言うとおりマジックセイバーは人の命までは奪わなかった。人を殺さずに済んだことでブルーは肩の荷が下りたような気を感じた。
「ここか犯人は!?」
(…みんな、やってくれたようだな。)
 そこへ警官隊が現れた。犯人を逮捕しに来たのだ。そこには刑事職に復帰した本来のマジックブルー大神秀一の姿もあった。
「俺が犯人です。自首します。」
「えっ!?」
「お前たちには感謝するよ。これからは罪を償って二度と悪事はしないよ。」
 すると、オオガマカオスだった男は素直に自首をした。彼はマジックフォースに命を救われたことで罪を償って、悪事から足を洗うために自首を決めたのだ。彼は両手に手錠をかけられると、数人の警察官に連行されていった。しかし、彼は憔悴した感じはなく穏やかな笑顔で連行されていった。
                     7
「やったー!!勝ったー!!」
「くっそー、負けた!!」
「フェリアちゃん、次は私と勝負して!!」
「いいよ!!」
 あれから何時間が経過しただろうか…あの波乱の授業参観が終わり、フェリアは勝哉をはじめとした調理実習の班のメンバーとマジックフォース基地があるトイランドでビーストファイトに興じていた。
「すごいわ…あの子いつの間にあんなに友達を作ったのかしら。」
「これも翔助くんたちのおかげだな。」
 わずか一日で四人の友達を作ったフェリアにゼムスと聖歌も驚きを見せた。だが…。
「ゼムス…一ついいですか?」
「なんだい?」
「オレたち敵を逃がしたんですよ。咎めないんですか?」
 わき合い合いとしている店内でマジックフォースの五人だけが暗い表情をしていた。戦いに勝利こそはしたが、敵を逃がしてしまうという失態を演じたことが尾を引いているようだ。翔助はなぜ失態を演じた自分たちを咎めないのかゼムスに訊ねた。
「咎めないよ。だってきみたちは失態だけではなく讃えてもいいほどの功績を残しているんからね。」
「功績!?」
「ああ、人の命を救ったという功績さ。」
 自分を責めるマジックフォースにゼムスは「きみたちは確かに失態を演じたが、それと同時に功績も残した」と言った。
「秀一からカオスモンスターだった男からきみたちにお礼を言ってほしいと伝言を預かっていると電話があったんだ。」
「えっ!?」
「あの男はきみたちが元の姿に戻してくれたことで悪事から足を洗って罪を償っていくそうだ。」
「そうか…」
「自分で言うのもなんだけどそりゃある意味功績だな。」
「なんか救われた感じだよね。」
 ゼムスは秀一から伝言を預かっていた。秀一はオオガマカオスだった男から「間接的に殺されそうになった自分の命を救ってくれたマジックフォースに感謝の言葉を伝えてほしい」と言われすぐにゼムスに電話をしたのだった。敵だった男の命を救い、その男に感謝されたことで落ち込んでいたマジックフォースも心が救われた気がした。
「でも、デッドが言ってたあの言葉はなにを意味していたんだろう!?オレなんか嫌な予感がするよ…それにオレたちを助けてくれたフィリスって女の子一体何者なんだろう…」
 しかし、翔助には気がかりなことがあった。プロフェッサーデッドが去り際に言い残した「全日本国民が貴様たちの敵だ」という捨て台詞だ。翔助はその言葉に嫌な予感を感じずにはいられなかった。だが、それはデスカオスの恐るべき陰謀の第一歩にしか過ぎないこと、そして自分たちがもっと過酷な戦いの渦に巻き込まれることをマジックフォースはまだ気付いていない。そして、マジックフォースに助言をした声の主フィリスとは一体何者なのだろうか…はたして、マジックフォースは世界の平和を取り戻せるのであろうか?

                                            …つづく
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マジックフォース第3話完成!!

Posted by 桜埜春佑 on 24.2010 召獣戦隊マジックフォース 0 comments 0 trackback
1ヶ月以上のブロ具の放置申し訳ございません。ですが、その間も小説は作っていました。そして、この度マジックフォースの第3話を掲載するに至りました。

…不思議な夢を見たマジックフォース。だが、そんな彼らにピンチが次々と降りかかる。果たして、マジックフォースはこのピンチを切り抜けることができるのか…?

…と、いうわけでこの続きは本編でお楽しみください。
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